ここに来て、ウイグル問題が急展開しつつある。 米国ペンス副大統領の発言やポンペオ国務長官が、中国による残虐なウイグル人弾圧に声を挙げた。トランプ政権は貿易戦争から、ついに軍事・外交面でも中国に対抗する方針を明かにした。世界の目が一斉にウイグル(東トルキスタン)に向けられ始めた。 日本国内でも10月26日にウイグル独立運動のシンボル的存在のラビヤ・カーディル女史が来日し、「自由インド太平洋連盟」の結成大会を予定している。時期を前後して、安倍総理は訪中している最中だ。 一体、ウイグル独立運動はどうなって行くのだろうか?
今日は本来は、ラビヤ先生が講演する予定だったので、残念ながら今回は他に事情がありまして、断念させていただきました。ラビヤ先生は10月か11月、一回日本に呼ぶ予定なんです。その内また皆様にお知らせいたします。必ず今年は一回日本に来ます。宜しくお願いします。 出展:第54回呉竹会アジアフォーラム参加記録「トゥール・ムハメット先生」より抜粋
『ウイグル弾圧 裏に「一帯一路」』 「日本の人たちに同胞の抑圧の悲惨を知ってもらいたい。日本に行くのはどうしたらよいですか」 ウイグル人女性のラビア・カーディルさんが私の手を固く握って、問うてきたのはもう13年も前だった。ワシントンでの彼女の講演を取材して帰ろうとした際、呼び止められたのだ。 カーディルさんは中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区で国家安全危害罪で6年も獄につながれ、米国政府の支援で釈放後、移住を認められたばかりだった。その後は「世界ウイグル会議」議長となり、訪日も数回、果たした。 だが2018年10月のいま、彼女が故郷に残した親族十数人が強制収容所に捕らわれた。中国共産党政権によるウイグル人弾圧は長い歳月、少しも減らないどころか、一気に次元を超えて悪化したのだ。米国の議会と政府の合同組織「中国に関する議会・政府委員会」の年次報告が詳細に明かしていた。 中国政府の人種や法の支配の状況を調べた同報告書は新疆ウイグル自治区でウイグル人約800万のうち100万もが全区で1300カ所もの強制収容所に入れられたことを伝えていた。所内ではイスラム教や民族古来の言語、風習、文化を捨てる「政治再教育」を無期限に受けさせられる。その過程では水責めの拷問、強制断食、睡眠禁止などの過酷な措置が加えられる。 米国官民あげての1年にわたる調査に基づく同報告書は中国政府がウイグル人に民族や宗教の年来の帰属要因をすべて放棄させ、共産党の無宗教の理念の下に「中国化」する大作戦を徹底させ始めたことを伝えていた。とくに海外で中国共産党の行動を批判するカーディルさんのような在外ウイグル人の指導者や学者、言論人の留守家庭への懲罰的な措置がひどいという。 同報告書は中国を批判する在米ウイグル人記者の82歳の母や、ウイグル人学者の61歳の弟らが収容所内で次々に不審な死をとげた悲惨な状況をも詳しく記していた。そして中国政府のいまの措置を「人道に対する罪」と断じていた。 だが中国共産党はここにきてなぜ急にウイグル人の弾圧を徹底させたのか。 新疆ウイグル自治区の実質的最高権力ポストの共産党委員会書記に、習近平国家主席に忠誠を誓う陳全国氏が就いたのは16年8月だった。翌年、党中央政治局員に昇格した陳氏はそれまでチベット自治区での「中国化」に実績をあげたとされた。そして新疆ウイグル自治区では昨年春から前例のない大規模なウイグル住民の大量強制収容と洗脳工作を異様なスピードで推進した。チベットや内モンゴルでの少数民族の強制同化とはまったく異なる勢いでのこの工作の新の理由はなんなのか。 米国の同委員会の報告はこの疑問への答えとして「一帯一路」構想をあげていた。周主席が始めた野心的なインフラ建設の巨大経済圏の同構想では新疆ウイグル自治区が重要なハブ(中枢)になるというのだ。 そのハブでは地元社会の長期の安定が求められる。中国政府からみての「分裂主義」や「過激派」のウイグル民族の反中志向が少しでも残っていてはならない。そんな共産党首脳部の非道な計算こそが今回の大弾圧を招いたというわけだ。「一帯一路」の不都合な現実とでも呼べようか。 (ワシントン駐在客員特派員) 出展:平成30年10月16日付・産経新聞朝刊「緯度経度」古森義久
9月28日 | トゥール・ムハメット氏(ラビヤ・カーディル女史の日本における正式代表) フランス・パリでのウイグル人会議に出席 9月28日〜30日 東トルキスタン国民会議発足(トルコ在住セイット・トムチュルク氏を議長に選出) 東トルキスタン独立運動組織発足(トゥール・ムハメット氏が代表に選出) |
29日 | |
30日 | |
10月 1日 | トゥール氏は引き続き国連出席のためオランダとスイスへ出発 |
9日 | トゥール氏スイス・ジュネーブの国連人権委員会に出席(1日目) |
10日 | 同上(2日目) |
16日 | 産経新聞朝刊「緯度経度」古森義久『ウイグル弾圧 裏に「一帯一路」』 |
17日 | 産経新聞朝刊「亡命ウイグル人ら、国際組織で中国の弾圧に対抗 東京に事務局、26日結成大会」 呉竹会は国内のウイグル独立運動団体から一時撤退を決断、Twitterで宣言 |
19日 | トゥール氏が呉竹会でウイグル独立運動について詳細をすべて説明 東トルキスタン独立運動を展開する旨、Twitterで表明 |
20日 | 私が一連のツイートを発見 Σ(°Д°) |
21日 | 会長秘書の望月氏とネットで連絡を取る |
22日 | 望月氏と電話で事情を聞き、僭越ながら事務局へ取材を提案させていただく |
23日 | 望月氏から取材の提案を了承する旨の返事をいただいてレジュメを作成 |
24日 | ラビヤ女史来日 作成したレジュメを望月氏経由で事務局へ提出、事務局から了承をいただく |
25日 | 頭山興助事務所で呉竹会事務局へ取材 |
26日 | 衆議院議員会館にて「自由インド太平洋連盟」結成大会(ラビヤ女史が会長に) |
27日 | 文京区民センターにて講演会「沖縄・台湾・そのはざまの尖閣」 講演:藤井厳喜(呉竹会代表幹事)講演出席 来賓:ラビヤ・カーディル(自由インド太平洋連盟会長)来賓挨拶 |
29日 | ラビヤ女史帰国(予定) |