パソコンからマイナンバーカードを申請してみた!

現今のコロナ禍で、連立を組む公明党の要望を受けた形で(ほぼ「鶴の一声」だろう)国民に一律10万円を給付することが決定されたが、いざ給付する段になると大混乱が生じた。
自民党で保守系と思われる国会議員は、SNS等で「マイナンバーカードの普及が重要」といった発言をされていたようだが、ある程度10万円給付が完了したかと思えば、今度は「マイナンバーと銀行口座の紐付け」が議論を呼ぶことになった。
昨年10月の消費増税に伴う景気の下支えのため、経産省はキャッシュレス決済で消費者にポイントを還元する「キャッシュレス・消費者還元事業」をやっていたが、世界的なコロナ禍で東京五輪は来年に延期され、非接触で決済が出来るから逆にキャッシュレス決済は有効であるにも関わらず、6月末でポイント還元事業が終了した
そこで今度は総務省がマイナンバーカードで「マイナポイント事業」を7月1日から開始するというので、これまた色々と混乱しているようだ。
財務・経産・総務の3省での省益の奪い合いに、安倍政権と国民が振り回されているのではないか?と思わなくはない。
それとはまったく関係なく、たまたま市役所に用事があったので、「ついでにマイナンバーカードの申請をしてみるか」と思いついたのである。

想定する読者

  1. 通知カードまたは個人番号カード交付申請書を持っている(後述)
  2. 直近6ヶ月以内の申請写真画像を持っている(用意できる)
  3. パソコンからマイナンバーカードを申請するつもりでいる

上記3点をクリアする人が本記事で想定する読者となる。1点でも外れるなら、スマホから申請するなり、郵送で申請するなりして欲しい。
ただ、上記1. に関しては説明が必要だろう。

2015(平成27)年に、画像のような個人番号・氏名・住所・生年月日が書かれた紙製の通知カードが(確か会社で)配布された。年末調整の際に個人番号を書く欄が追加されたので、私はこの「通知カード」部分のみを財布に入れて保管していた(ちなみに、この通知カード今年の5月末で廃止になっている)。
当時はマイナンバーカードの是非について国会でもモメていたし、個人的に何のメリットもない余計なカードを作る気がなかったので、「通知カード」以外の部分は捨ててしまった
実は、通知カードの下の部分にマイナンバーカード申請に必要な「申請書ID」が書かれており、この申請書ID」がないとマイナンバーカードの申請が出来ない
個人的に腑に落ちないのは、すでに「個人番号」が割り振られているのだから、「申請書IDなんかではなく、個人番号で申請できればいいんじゃね?」と思う。が、現実にはそうならないのが日本のお役所クオリティなのだ。
通知カードで申請書IDを持っている人は良いが、私のように申請書IDが手元にない人は、非常に不本意ながら、自分の住む自治体の役所(私の場合は市役所)で「再発行」の手続きをしなければならない

上記画像が市役所で「再発行」された「個人番号カード交付申請書 兼 電子証明書発行/更新申請書」だ(再発行手続きに通知カードの有無や提示は関係なく、免許証等の本人確認書類を提示すれば発行してくれる)。
A4なので折ってカバンに入れたからシワがあるし、画像も大きいが、画像上部赤枠①の部分が申請に必要な「申請書ID」の部分で、画像右下の赤枠②がオンライン申請用QRコード(主にスマホからの申請に利用)になっている。郵送で申請する場合はこの申請書に記入して写真を貼り、封筒に入れて切手を貼ってポストに投函することになる。
パソコンから申請する場合は、直近6ヶ月以内に撮影した申請写真画像があれば問題ないが、この画像にも色々と注文がある。

  • サイズが縦4.5cm✕横3.5cm(画像の場合は幅480ドット以上で縦横比が約1:1.3の画像
  • 正面・無帽・無背景のもの

その他、詳細については次のサイトを参照して欲しい。

パスポートの申請時や、履歴書に貼る証明写真をどうやって調達するか?は人それぞれだが、私の場合は街の写真屋で証明写真を撮影して使っている。
今回はそれをスキャナで読み込んで画像にしているが、写真屋さんによってはネガ自体がCD-Rだったり、またはネガや写真をCD-Rに焼いてくれるサービスもあるので、スキャナを持っていない人は利用すると良いだろう。
ちなみに、スキャンした画像の横幅が480ドット未満だとパソコンからのマイナンバーカード申請は出来ないので、スキャナのDPI設定を変更すれば(300DPIから600DPIにする等)、画像を劣化させることなく解決可能だ。

パソコンからマイナンバーカードを申請する!

実際のところ、申請書ID申請写真画像を用意すれば、パソコンによるマイナンバーカードの申請は難しくはない

図のサイト(図をクリックすると別タブで当該サイトへ飛びます)で申請の流れを確認していただければ、私が言うことがウソではないと分かるハズだ。
ただ、マイナンバーカード申請に関して(実際のところマイナンバーカードだけに限定はされないが)市役所のサイトページや、総務省のサイトページの説明は、非常に分かりにくい。だからこそ、こうして記事を書いているのだが。
ともあれ、上記サイトの「オンライン申請用サイトはこちら」リンクをクリックし、マイナンバーカードを申請してみよう(注意:リンクをクリックして手続きをする場合、無処理のまま一定の時間が経過するとタイムオーバーになり、手続きをやり直す必要がある)。

【STEP1】利用規約の確認
画面を下へスクロールすると図の画面になるので、赤枠①の部分をチェックし、赤枠②の「確認」ボタンをクリックする。

【STEP2】メールアドレス登録
次に、申請書ID・メールアドレス・メール連絡用氏名・メールアドレスを入力し、登録する。

図はそれぞれ入力した画面だが、「メール連絡用氏名」が普通の「氏名」ではないのがミソかも知れない。
今や個人でメールアドレスを持っていない人の方が珍しいが、それでも会社のメールアドレスしか持っていない人もいるから「メール連絡用氏名」なのだろうか?
恐らくそういった意味もあるかも知れないが、画面の文章を良く読むと「お名前(JIS第一水準漢字及びJIS第二水準漢字)を全角50文字以内で入力してください」とある。
普通の人には「JIS第一水準漢字」や「JIS第二水準漢字」は意味不明だろうが、非常に簡単にザックリ言うと機種依存文字」の漢字は書くな、ということだ。これは「山田太郎」さんのように、簡単な漢字のみで構成される名前の人は何も考える必要はない。
例えば名前に旧字体の漢字がある場合や、明らかにWindowsのIMEやマックのIMの漢字変換で変換されない漢字の場合は、ザックリ「機種依存文字」ということになる。
私の名前にもJIS第三水準漢字があるし、例えば旧漢字の「靖國神社」が正式な漢字であっても、この「メール連絡用氏名」には「靖国神社」と記入しなければならない。そういった意味で、「厳密には違うがメール連絡用に使う氏名の漢字」というのが、本当のところだろう。
コンピュータの文字コードに関して説明すると非常に長くなるし、本稿の趣旨とは違うので割愛するが、今はウェブに限らず普通にシステムの内部文字コードはUTF-8だろうから、何もこんな制約を設ける必要はないと思うのだが(まさかこのシステムの文字コードはShiftJISなのか?)。

ともあれ、図の赤①で画像認証文字を入力し、赤枠②の「確認」ボタンをクリックする。

【STEP3】メールアドレス登録完了
入力したメールアドレス宛てに図のようなメールが送信されるので、図赤枠のリンクをクリックすると、メールアドレスの登録が完了する。

【STEP4】顔写真登録
メールアドレスの登録が完了すると、図の画面に遷移する。

画面を下へスクロールし、図赤枠①の「アップロード」ボタンをクリックして申請写真画像をアップロードする。この時、画像サイズが規定に達していない等エラーがある場合は、図赤枠②の「確認」ボタンはクリック出来ない。
図のように「アップロードが完了しました。」と表示されたら、図赤枠②の「確認」ボタンをクリックする。

すると、図のようにアップロードした顔写真の確認画面に遷移する。

アップロードした申請写真に問題がなければ、赤枠①にチェックをし、赤枠②の「登録」ボタンをクリックする。

【STEP5】申請情報登録
生年月日と電子証明書の発行、点字の有無を登録する。
生年月日は良いとしても、電子証明書の「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」は、ちょっと説明が必要かも知れない。

電子証明書はカードのICチップ部分に登録される内容で、公的な個人認証サービスが受けれられるかどうかは、この電子証明書の有無によって変わってくる。
署名用電子証明書」は、氏名・住所・生年月日・性別の情報で、マイナンバーカードによるe-Tax(確定申告)等で電子文書を送信(申請)する際に必要となる。
利用者証明用電子証明書」は、本人であることを証明する際に使われる情報で、本記事の冒頭でも触れたが、「マイナポイント事業」でのキャッシュレス決済でポイント還元をする等、マイナポータルで使われる。
また、市役所が発行している住民票や印鑑証明書等の書類をコンビニ交付で受け取る際に、本人である証明に使われる。

ハッキリ言ってしまえば、電子証明書の記載(ICチップ登録)を拒否するなら、実質マイナンバーカードを申請して取得するメリットは無いだろう。
もっとハッキリ言えば、先進国の中でもIT後進国かつ、ITへの無理解のひどさ及びそのIT業界に従事するエンジニアを低賃金で使い捨てにして知らん顔するような日本において、例えばインターネットによる公職選挙の投票が可能になったり、ましてや理想的な「電子政府」が近い将来構築できるとは、個人的には全然思っていない
仮にそういった各種システムが完成しても、そのシステムを運用したり、または利用できる国民がいないんじゃないのか?とさえ思う。

ともあれ、通常は図のように生年月日を入力し、赤枠①のチェックをして赤枠②の「確認」ボタンをクリックすれば良いだろう。

すると、図のような申請情報の確認画面に遷移する。

画面を下へスクロールして内容を確認し、図赤枠の「登録」ボタンをクリックする。

【STEP5】申請情報登録完了
これでパソコンからのマイナンバーカードの申請がすべて完了した。

図のような「申請受付完了のお知らせ」メールが届くので、申請内容に不備が無いことを天の神に祈りつつ、問題がなければ1ヶ月ほどで自宅に交付通知書(ハガキ)が届くだろう(この程度の申請で問題があってたまるか!)。
交付通知書(当然ながら交付期限が設定されている)と免許証等の本人確認書類を持って自分の住む自治体の役所(私の場合は市役所)へ行き、交付窓口で本人確認と暗証番号の設定を済ませば、晴れてマイナンバーカードを手にすることが出来るそこまでして入手しなければならない価値がマイナンバーカードにあるのか?という問題はあるのだが。

おわりに

この世で行きたくない公務員の巣窟の圧倒的第1位は警察署だが、その次が市役所だ。
基本的に警察署や市役所に用はないのだが、年に1回あるかないかぐらいで市役所に行かざるを得ない用事が出来る。市役所では当たり前の要領の得ない説明と、「決まりなので」ですべてを済ませる思考停止っぷりに、毎回イライラする。
だから、私は市役所に行くと決まって無口になり、職員のムダな説明をバッサリ切り捨てて要点のみを整理して伝える。こちらが用意(または記入する)書類は何か。そして、いつその回答なり結果なり書類が出るのか。それだけ聞いて手早く処理(作業)して職員に突っ返す。必要とあれば理由を聞くが(むしろ問いただすが)、たいていは時間のムダだ。
そして民間なら大いに意味はあるが、市役所でもムダにジョブローテーションがあるらしく、久しぶりに用事があって行くと担当者が変わっている。また最初から説明か、とウンザリすることも普通だ。
お役所は書類が大好きだが、書類を作るのが好きなのであって、作成された過去の書類を参照して理解するのは大嫌い、もしくはその能力が最初から無いのかも知れない。
ここまで記事を読んだ読者は、マイナンバーカードの申請自体の簡単さに比べ、お役所のサイトの説明のヒドさと難解さに驚き、かつパソコンで申請する前提条件と申請後のマイナンバーカードの受け取りに、軽くメマイを覚えたかも知れない。
スマホならQRコードを読み取れば申請書IDの無意味な数字を入力する手間は省けるが、マイナンバーカードの写真をスマホで撮影することになるので、申請に必要な写真要件をクリアする手間にウンザリすることだろう。
書類に申請写真を貼り、手書きして封筒に詰めて切手を購入して郵送するのも良いだろう。
昭和かよ?とは思うが、書類が大好きなお役所は喜ぶかも知れない。なにせ10万円の給付金をオンラインで申請するより、郵送で書類を役所に叩き付けた方が給付が早かったのだから。
どのみち、マイナンバーカードの申請と取得にはウンザリさせられる。マイナンバーカードの取得により、少しでも「公務員の巣窟」に出入りしなくて済むような社会になってもらいたいものだ。
ともあれ、少しでも気を抜くと「日本年金機構が個人情報入力を委託した業者が支那企業に無断で再委託していた」なんてことになるので、この国の情報管理と危機管理は信用出来ない。・・・このジレンマは、どれだけ共有されるだろうか?

 

 


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