第55回呉竹会アジアフォーラム参加記録

昨年(2018年)12月7日に憲政記念館で開催された第55回呉竹会アジアフォーラムに参加した。今回も同様にテープ起こしの形で記事化を実施し、内容を損なわないよう最小限度にまとめつつ、記録として公開する。今回も非常に長くなるが、参加出来なかった方はぜひ参照されたい。
なお、今回に関しては仕事の都合で途中からの参加であったこと、基本的に録音・録画が禁止されていたが、特別に録音を許可していただいたことを付記する。ボイスレコーダから記事を起こしているので内容に誤りはないとは思うが、万一私の理解や認識が違っていたら、ご指摘をお願いしたい。

今村洋史先生

私が会場に到着した時には、すでに国歌「君が代」の斉唱と教育勅語の奉唱が終わり、今村洋史先生がスピーチをしている最中であった。急いでボイスレコーダとカメラを準備したが、写真を撮るのが精一杯で、残念ながらその内容について全てを網羅できず、本稿では写真のみの掲載に留める。

ネットを検索してみたが、今回は録音と動画撮影が禁止されていたこともあり、動画からテキストを起こすことも叶わなかった。

高須克弥先生

こんばんわ、高須克弥でございます。沢山集まっていただこうと思って、実は昨日から、Facebookでみんなにダイレクトに「ここに来いよ」って、通知を出しておりましたら、突然Facebookが凍結されてしまいました。(会場・軽いどよめき
なんとか、乗っ取られている可能性もあるし、向こうから凍結して・・・とにかくウイグルの情報を一生懸命送っていたら凍結されたんで。色々やってみたら、ボクの方もウィルスが入って来て乗っ取られそうになっておりまして・・・(Facebookが)中国の資本にもう乗っ取られちゃったんだなぁと思って・・・悲しく思って、今日の集まり(は)もっと沢山おいでになっているだろうと思ったのに、ちょっと口惜しい思いをしております。
でも、嬉しいお知らせもあります。昨日、ソフトバンクの通信網がダウンしました(筆者注:12月6日午後1時39分頃から午後6時4分までソフトバンクおよびワイモバイルの4G(LTE)携帯電話と固定電話、家庭用WiFiサービスが利用できない状況が発生した。「ソフトバンク通信障害が映すスマホ社会の罠」参照)。で、それと同時に、確かファーウェイの取引している所は全部アメリカが取引を停止すると言って、日本政府は今日、みんな外しちゃいました。
今、中国とアメリカとは戦争の真っ最中でございます。戦争というのは武力戦争ではなくて、経済戦争が今の現代の戦争のメインでございます。ちょうどアメリカは少し前にソ連と戦って、同じような戦い方をして勝っております。同じことをやると思います。間もなく中国とアメリカとの戦争の決着が着きます。中国が今、恐れているのは武力で戦って負けることではありません。経済戦争で負けること、次に起こることはソ連で起こったことと同じことで、中にいる民族が自決(民族自決)して独立してバラバラになることを恐れています。

中国の一番の敵は東トルキスタン、チベット、内モンゴル、それから台湾。もしかすると満州は違うと思いますけど、とにかく、民族が自分たちの国を取り戻されちゃったら中国は半分以下になっちゃいます。だから一番恐れているのは、実は中にいる東トルキスタンの皆さまや、チベットの方たちです。なんとかこの人たちを根絶やしにしようと思っているのが彼ら(中国共産党)の一番の目的で、中国の軍で一番力を入れているのは外に対しての戦いではなくて、中の人間たちを抑えるための軍隊を一生懸命強化してます。
みんな勘違いしてますけど、一番の最大の敵は(中国の)中にいる方たちです。今、トゥールさんたちにお願いしたいのですけど、間もなく計画どおり行けば、皆さんの望んでいる世の中が来ると思います。こういう時ってみんなは急いちゃってですね、ここで武力蜂起をして政権奪取をしようとか、テロをやって偉い人をヤッツケちゃおうとか、色々なツマラナイことを考えますけど、大きな歴史の流れで一番今大事なところですから、できるだけ軽はずみに動かないで、しばらく腰を据えて流れを見ていただきたいな、と思って、そのこともお伝えしようと思って参りました。
うまく行けば数年の内に皆さんたちの望むような世の中が来ます。全く違う路線で台湾も、それからチベットも、みんな違う路線でやってますけども、本当は全部が力を合わせて心をひとつにすれば、中国崩壊したらすごく良い世の中が来るんですけども(会場・大拍手)すごく口惜しい思いをしております。いつまでもこれ(スピーチ)やっているとどんどんあり得ることに(会場・笑い)これぐらいの時間で。
これからも一生懸命、皆さんの支援をして行くつもりでありますので、できるだけ国際的な共感を得られるような戦い方をしていただけるように、ぜひお願いします。(会場・大拍手

杉田水脈先生

皆さんこんばんわ。遅れて参りまして申し訳ございません。実は国会が今、大変なことになってまして、多分今日は「夜なべ国会」になるんじゃないかと(筆者注:この日は第197臨時国会中で、正に与野党の攻防が続いていた。「重要法案・条約成立も…国会論戦本質語られず」参照)。ということで我々は今、禁足(「禁止」の禁に「足」と書くのですが)がかかってまして、15分以内に本会議場に戻れる場所に居ないといけない、という状況なんですね。だからいつ開かれるか分からない、といった状況でございまして、なので多分、私がここに来たらもっともっと沢山の国会議員の先生方がズラッと並んでいらっしゃるのかな?という風に思ったんですけども、そういった事情もございまして、なかなか皆さん来れてないのではないかな?という風に思っております。
先ほど高須先生のお話を聴いている中でふと思ったんですけども、今は「経済戦争になって来ている」というのが、それが顕著だったのが、先般行われました台湾の選挙じゃないかと思うんです。あれだけ「民族の誇りを取り戻す」ということで民進党が躍進して蔡英文政権が出来たんですが、今はもう全然、この間の選挙はボロボロになっておりまして、また国民党が台頭をして来ておる、と。「どうして?」「そこのところに?」ということで昨日も詳しく色々な話を聞いて来たんですね。やっぱりかなり中国からの締め付け、それから、もう、皆さん思い知らされる、と。中国との経済的な関係なしに「もうやって行けないんだ」という風なところまで国民が思い知らされてしまった結果が、今回の「揺り戻し」になってしまっている、ということなので。じゃあ我々は台湾とは、例えそれが民進党政権であっても、国民党政権であっても、しっかりとした関係を築いていなければいけないんですよね。その辺りのところで、今後日本というところも、どのような形で付き合って行くかというのをシッカリと見て行かなければいけないという風に思っております。
やはりウイグル、先ほどから話に出ておりますチベット、南モンゴルといったところの問題。ここにももっともっと日本が出来ることがあるんじゃないか?と皆さん、私も思っておりますので、これからもっとしっかりと勉強させていただきまして、ぜひ力になって参りたいという風に思っております。
今日は皆さんのところで時間が許すまで、お勉強させていただきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。ありがとうございました。(会場・大拍手

ここでコーディネーターで司会の藤井厳喜先生から、ウイグルの方々にマイクを渡してお話をしていただく旨の説明があった。ウイグルの方々の通訳にトゥール・ムハメット氏(呉竹会幹事)が当たり、「『世界最悪』とも言われる中国のウイグル弾圧、ウイグルの現状を当事者であるご本人たちの口から報告していただき、しっかりとその言葉を我々で受け止めて行きたいと思う」とし、19:45までトゥール・ムハメット氏が通訳としてマイクを握ることとなった。

トゥール・ムハメット先生

皆さまこんにちは。藤井先生からご紹介いただきました、トゥール・ムハメットです。今日は宜しくお願いします。ただ今から、ここに来ています我々ウイグル人の仲間をまず、紹介させて下さい。
私の左手のこの方はセイット・トムチュルクさん。セイットさんは今トルコ在住ですね。セイットさんはトルコ在住で、私達の若いリーダーの一人です。セイットさんはトルコ生まれ(で)元々は東トルキスタン出身です。60年代かなぁ、50年代の後半ぐらい(に)、ご家族と一緒にアフガニスタンに逃れて(筆者注:中国共産党が東トルキスタンで「新疆ウイグル自治区」を作ったのは1955年。「東トルキスタンの簡潔な歴史」参照)、アフガニスタンからトルコに救われて、トルコに移住して・・・トルコのアンカラのちょっと南ぐらいの所にカイセリという県があります。非常に綺麗な所なんですけど、そこに住んで、そこで生まれた方ですね。しかしトルコ生まれながら、ウイグルを愛する心、それは我々(の)誰よりも強い方なんです。トルコで生まれてトルコで教育を受けて、そこでウイグルの独立の運動を親の代から引き継いで、今まで我々のこの闘いをトルコで、それからトルコを基盤に世界中で展開しております。今年(2018年)のですね、9月28~30日に私達はパリで「東トルキスタン独立運動大会」という会議を開いて、そこでこの東トルキスタンの独立をしっかりやる、という決意を決めてウイグル人が2つの団体を作ったんです(筆者注:関連記事「呉竹会事務局突撃取材!~ウイグル独立運動から撤退!独立運動を展開?」参照)。その1つは世界の独立運動を行っている、主体となっているウイグル団体を傘下に置く「東トルキスタン国民会議」を設立しました。セイットさんはウイグル人の間で厚い信頼を集めていますので、我々(が)一致してセイットさんを我々(が)設立した「東トルキスタン国民会議」の議長に選んで、彼は今は「東トルキスタン国民会議」の議長として、この国際舞台で活躍されております。今回は初めて私達が彼を「東トルキスタン国民会議」の議長として日本に招いて、皆さまにこの東トルキスタンの実態、そして我々のこれからどういう風に闘っていくのかという意志、それをこういう会場を通して、それからマスコミを通して日本の国民に、そして世界に訴えたい、と今回のこの一連のイベントを組織しました。

それから私の右手のこの方ですね、アブドラルラフマンアイシャンさん。アブドラルラフマンアイシャンさんは、この集中キャンプが始まってから、彼のお母さんと奥さんがその強制収容所に入れられて、ほとんどのウイグル人が怖くてですね、誰もこの問題を身を挺して訴えることが出来ない時に、彼は初めて表に出て来て自分のお母さん、そして自分の奥さんがこの強制収容所に入れられていると、それを訴え出したんです。つまり彼は、私達ウイグル人の中で一番最初にこの収容キャンプで自分のご親族が「確実に入れられてます」よ「大変なことになってます」よ、ということを訴えた男です。だから今回私達はアブドラルラフマンアイシャンさんを日本に招いて、自分の親、お母さんですね、それから奥さんがどういう酷い目に遭っているのか。それを直接、日本の国民の皆さん、そしてマスコミに訴えていただきたいと、彼を日本に呼びました。今日は彼がキーパソン(で)彼が主にお話(を)します。
それから隣の方はオランダの東トルキスタン協会の会長ですね。私達が9月28~30日に設立した団体の中で「東トルキスタン国民会議」と同時に「東トルキスタン独立運動組織」というものを作っているんですね。私が議長で、議長内閣というものがありまして、7人がメンバーで、その議長内閣のメンバーで副議長に選んでもらっています。今回彼も日本に来ています。あと、私達の組織のヨーロッパ責任者を彼が担当しております。
それから壇上に上がってないけど、そこに(会場に)一人座っております。イスラエル・タイドフさん。彼はキリギスタン在住で、キリギスタンの意思決定ですね、「団結」という、ウイグル人の団体があります。非常に古い団体なので、中央アジアが独立した後にすぐ出来た組織ですね。ずっと中央アジアをベースに、キリギスタンをベースにそこで活動しています。その「団結」という組織の副議長(を)務めています。議長の方は今、キリギスタンの議会にメンバーとして選ばれているので、彼はウイグルの活動の表で参加できないから、彼は今回その議長を代表して日本に初めて訪問しています。今日朝、空港に着いたばかりなので、この会場に駆け付けて来ました。
今回こういうメンバーで初めて、私達は「ウイグルの今の現状はどうなっているのか?」それから「私達独立運動はこれからどうなって行くのか?」ということを日本国民に訴えて行きます。よろしくお願いします。(会場・大拍手
それから今回は、この私達1年のこの活動を陰ながら支えて下さいます、呉竹会アジアフォーラムがいらっしゃいます。その会長・頭山興助先生、そして我々の代表幹事・藤井厳喜先生に、私は「東トルキスタン独立運動組織」の議長として、それからセイットさん(を)代表いたしまして、ウイグル人を代表いたしまして、呉竹会アジアフォーラム頭山先生、藤井先生はじめ皆さまに心より感謝いたします。それから今日来場されました皆さまにも、心より感謝申し上げます。皆さま、今日(は)宜しくお願いします。(会場・大拍手
あとですね、ちょっと。今日この会場にですね、ウイグル人が何人か来ていらっしゃいます。今まで、私達のこういう活動にはなかなか在日ウイグル人が表に出てですね、参加できなかった実態がずっと続いてきました。しかし、中国のウイグル人を弾圧する、ウイグル民族を絶滅させる、そういう計画というのが表に出て来て、我々が一人ひとりみんな被害者になった後には、在日ウイグル人を(が)表に出て来て活動し始めています。今、そのリーダー的な存在の2人をちょっと紹介します。
まず、北海道からいらっしゃいました、モハマド先生です。北海道大学の教授を勤めております(筆者注:ヒヤリングが非常に困難だが、北海道大学の非常勤講師、モハマド・サイード・イフテカー氏のことか?)。我々の「お兄さん」ですね、日本の。今日、彼も北海道から駆け付けて来ています。(会場・拍手)それからもう一人、日本で我々の「大先輩」として活躍しております、アブドゥル先生(筆者注:ヒヤリングが非常に困難なので、名前が違う可能性あり)。(会場・拍手
今まで私達が(筆者注:ヒヤリング困難)今はみんな一体となって、みんな表に出て、この独立運動を日本でもしっかりやって参ります。だからもっと日本に、我々(は)しっかりしてもらわなければならないんです。日本がしっかりしてもらうための、一番のキーポイントは何ですか?皆さん、分かりますか?日本がしっかりするためには、「何か」をやらないといけないんです。それは何ですか?(会場より「憲法改正」の声あり)そうです、憲法改正です。日本の憲法を変えなければですね、この日本は危ないです、皆さん。(会場・拍手
この金曜日、かな?杉田水脈先生もいらっしゃいますけれども、「憲法改正する国民大会」をやりましたね?(筆者注:「待ったなし!憲法改正の国会論議 全国大会」のことと思われる)錚々たる国会議員が200名近く来られました。つまり「日本の地殻変動」がですね、本当に良い方向に行っています。これは我々ウイグル人にとっても、東トルキスタン独立運動にとっても、やっぱり日本は我々の「元」、「日の本」ではなくて、「ウイグル独立運動の元」の「日本」なんです。だから日本が憲法改正をして、このアジアでこの立派な「日本文明」を広めて、そこで我々がしっかり(と)アジアを変えて行く。そのためには東トルキスタンの独立も必要だし、チベットの独立も必要なんです。それから中央アジアも、モンゴルも、中国に取られてはいけないのです。日本のやることは多すぎる。皆さん、だから日本の国会議員にも、日本の政治家の皆さんにも、そして今日この会場にいらっしゃった皆さまにも、しっかり頑張って、日本をしっかりして、その上でこのアジアを、それから世界を変えて行きましょう。よろしくお願いします。(会場・大拍手

東トルキスタン国民会議:セイット・トムチュルク議長

コンバンワ」(これ以降は全てトゥール・ムハメット氏の通訳)
皆さま、こんばんわ。今日、ここに来ていらっしゃっている皆さま、そしてこの会を主催していただきました、呉竹会アジアフォーラムの頭山先生、それから今日この会場に駆け付けていらっしゃいます杉田水脈先生、皆さま方に、私はまずウイグル民族を代表いたしまして、心から御礼申し上げます。
私は日本に2008年から16回ぐらい、来ております。その間、私は一貫してウイグルのことを訴えると同時に、日本の国民の皆さまに「ぜひ気を付けて下さい」と、我々が今直面している問題はある日、日本にも多分やって来る、ということをアドバイスして来ております。例えばの話ですが、ある家が火事になったら、その隣の家にも必ずその火が蔓延します。その中の皆がその被害を受けるわけなんです。今回は、私は今まで来た(日本)訪問と全然違う内容があります。それはひとつの民族が野蛮的に、残虐的に消される運命になりつつあります。
2年前まで中国当局はこのウイグル民族に対して、大変陰謀的な、陰湿的な、そして隠蔽的な、その手法を使って支配して来たわけです。しかし今は、中国は今までの隠蔽した仮面を全部脱いで、堂々とウイグル民族をこの地球上から抹殺する、そういう動きに出ているのです。しかし今、私達がそれを語ろうとしたら、多分皆さんが「この人達は本当のことを言っているのだろうか?」「何か物語を作っているのではないか?」そういう信じがたい状況に陥るかも知れないけれども、これは真実なんです。
しかし、この世界の歴史で大きな貢献をした、悠久の歴史と文化を持っている民族が「チャイナ・ファシスト」の共産党のこの陰謀によって、消滅させられようと、そういう運命になっています。

今現在、約500万人のウイグル人が、我々の想像もつかない、想像も出来ない、いわゆる「収容キャンプ」というものの中で、1940年代に人類が経験したナチス・ドイツの仕業と同じようなやり方で、大変な状況に置かれています。毎日毎日、数百人、あるいは数千人のウイグル人が様々な虐待、拷問を受けて虐殺、殺されているのです。
一方で、男性が連れ去られて男性が残っていないウイグル人の家庭には、中国当局は悲惨にも中国人の男性をそこに入れて、我々の想像もつかない様々な、本当に口にも出来ない行いをしているわけです。そういう「やり方」を彼らは「親戚のある家庭」という名前を付けて、これに対してウイグル人は本当に何も抵抗出来ない状況です。それと同時に、彼らが我々を完全に消滅させるために、我々の若い女性たちを強制的に「中国人と結婚させる」ことをしています。私達の統計、不確実なんですが約100万人のウイグル人の子供、未成年者が(親たちが連れ去られて家に残っているから)政府に連行されて「子供たちの強制収容所」に入れられて、中国的な教育を彼ら(子供や未成年者)に行っているわけです。そこ(子供たちの強制収容所)で中国語を喋らせ、中国の食べ物を食べさせ、中国の服を着させて彼らを(中国に)「同化」させているのです。それから強制収容所に入れられていないウイグル人も、実は中国の先端的なシステムによって24時間何をやっているか監視されている、「屋根のない刑務所」に入れられているような状況なのです。
こういう弾圧をしながらウイグル人の抵抗を心配して、ウイグル人の家にある包丁やナイフ等を鎖で縛っておいて、そして包丁やナイフ等にバーコードを与えて管理を強化しているわけです。こういうことをしていながら、当然こういった情報が外部に漏れるのを心配してウイグルに関する(インターネットを含む全ての外部からの)アクセスを遮断して、ウイグルを「完璧な刑務所」に変えているのです。一方で、この強制収容所に入れられているウイグル人達は、(強制収容所の)外に残っている自分の子供達、あるいは家族が生きているのか死んでいるのか、それも全く知らないです。
こういった弾圧が世界的に指摘された時、中国当局は「自分達は強制収容所はやっていません」とそれ(ウイグル人弾圧)を隠蔽して来たのです。ご存知のように、8月9日・10日、国連で中国の人権問題を問う専門の会議があり(筆者注:「国連で中国のウイグル弾圧に焦点 日本NGOも調査報告」参照)、そこでこのウイグルにおける強制収容所の問題が議論され、中国が責められました。このような「強制収容所が存在している」「即座に閉鎖しなさい」と国連から決議案が出たわけです。中国は最初、この強制収容所を否定したのですが、国連で指摘された後はそれを認めざるを得なくなって、今度は「収容所ではなく職業訓練所だ」と嘘を言って国際社会を騙しているんです。当然、これは職業訓練施設ではないですね。なぜなら、そこにウイグル人が強制的に入れられて、そこで死人が出る、こんな職業訓練所があるわけないです。ここで証言に出るアブドラルラフマンアイシャンさんも、3,000万人の迫害を受けているウイグル人の一人なんです。今日、この証言をされるアブドラルラフマンアイシャンさんは、自分のお母さん、自分の奥さんが我々の想像もつかない拷問・虐待を、この収容所で地獄よりも酷い仕打ちを受けているのだから、それで彼は中国当局に「そんな酷い苦痛を与えないで、弾丸の費用を出すから殺してくれ」とテレビに出て話した男なんです。
こういう状況を総合的に判断すると、ウイグル人は本当に終末を迎えている状況なんです。今、私達には「失うもの」が何ひとつ残っていません。私達は自分の命、自分の財産、自分の祖国、自分の家族、何ひとつ救うことが出来ないのです。私は、ウイグル人が直面しているこの悲劇を「太陽が消えた」「月が真黒になった」と喩えることが出来るでしょう。
こういう状況を私達はずっと訴えて来たわけです。しかし、私達の訴えに対して、平和的な人権活動に対して、国際社会から「それなり」の反応が無かったし、我々が中国の、我が民族を絶滅させる政策を止めることも出来なかったのです。そこで私達は、ウイグル人の大きな政策転換、そして方向転換をしたわけです。ここで私達は「独立する」という旗を高く掲げて、ふたつの組織を立ち上げました。なぜなら、私達は中国に対して何も期待しないのです。我々が自分の力で、自分の祖国を完全に独立させなければなりません。そのために、私達は覚悟を決めているのです。我々の信仰、我々のプライド、我々の魂、全てがこの闘いのためにあります。私達のこの民族の悲劇というものは、逆に、我が民族に「新しいひとつの運命」が始まるのではないかと、私達はそれを確信しております。私達のこの「呼びかけ」は、単にウイグル人達だけのものではありません。中国のこの拡張路線、海外侵略という野心、こういうものが既に日本にも向けられていて、世界に向けられているのです。そのために、私達は日本を始め国際社会に「中国の野望」を打ち砕くように、我々を支援し、バックアップし、我々と一緒に闘うように、ここで呼びかけます。私達は良く覚えているのです。1989年6月4日夜、天安門広場(北京)で中国当局は軍隊、戦車を出して平和的なデモを、市民達、学生達を虐殺しました。このように自分の民族をも、自国民を冷酷に殺すことが出来るような、悪魔のような政権が、我々にとって共通の敵なのです。日本にとっても、ウイグル人にとっても、共通の敵なのです。こういう敵と我々は、しっかり闘わなくてはいけないのです。
私はこれで、自分の話を終わりにさせていただきます。
アリガトウゴザイマス」(セイット・トムチュルク議長)(会場・大拍手

証言者:アブドラルラフマンアイシャンさん

次はですね、今日の我々の証言者、メイン・スピーカー、アブドラルラフマンアイシャンさんにここに来ていただいて、彼の訴えを聞かせていただきます。
アブドラルラフマンアイシャンさんはですね、彼はウイグルでは実業家だったんです。カシュガル出身なんですけども、カシュガルに居る時はビジネスを展開して、主に中央アジアとのビジネスを展開していたんですね。成功したビジネスマン、社長さんだったんですね。しかし、この収容キャンプが始まった後に、彼は自分の身に危機を感じて、そこで全てを投げ捨てて、その億の資産のある会社も捨てて、奥さんとお母さんをそこに置いて、自分一人でまずトルコに逃げたんですね。
本来、お母さんも奥さんもトルコに連れて行くつもりだったんですけども、しかし、中国当局は彼のお母さん・奥さんのパスポートを全部取り上げて出国禁止したんです。その詳しい話は彼がこれから皆さまに、告発いたします。皆さん、宜しくお願いします。(会場・大拍手
(これ以降は全てトゥール・ムハメット氏の通訳)

私は、名前をアブドラルラフマンアイシャンと申します。まずここで、私を今回日本にお招きいただきました先生方に、心から感謝いたします。それと同時に、日本の総理大臣・安倍晋三先生にぜひ私の訴えを聞いていただいて、ウイグル人を助けていただきたいと、それを訴えさせていただきます。
実は私は自分のビジネスを通して、中国を中央アジアに紹介する、中国のために外貨を稼ぐ、そういったビジネスをやって来たウイグル人です。私の母は、中国で学校の先生を30年間やっていました。私の父も中国で30年間仕事をして、私達家族全体で中国の法律をしっかり守り、一度も反政府的なことを行ったことはないし、「反政府」という言葉すら一度も口にしたことはありません。
実は、私はビジネスをやっているので教育にも非常に関心を寄せて、支援活動をやっていたんです。色々な方法を通して、教育が上手く行くような努力を、自分のビジネスを通してサポートをしたことがあります。
2015年から中国は203種類ぐらいの、ウイグル人の日常的な生活、習慣、文化、宗教、歴史、そういうものに関する「行動内容」をまとめて公表したんです。なぜまとめたのかと言いますと、それが中国においては「犯罪行為」であると公表し、そこから今やっているこの収容キャンプというものを分類し、「逮捕」を始めたわけです。
私は2017年頃、ウルムチに住んでいたんです。2015年から始まった中国の逮捕は、徐々に徐々に色々な人に及んで来て、私自身もウルムチで自宅にいる1月のある日、中国当局が私をも「監視」していることが、私には分かってしまったんです。それで自分の身の安全に危機を感じ、そこから中国から脱出してトルコへ逃げました。中央アジアに逃げたのです。実は、私の判断は正しかったのです。私がキリギスに逃れて4日後に中国の安全当局が自宅に来て、私を逮捕しに来たのが分かったんです。その後、1月に逃げたんですが、2月から大規模な逮捕が始まったわけです。ウルムチから私が聞いた話では、一期目の逮捕で72人ぐらいのカシュガル出身のウイグル人が、カシュガルに連れ去られたのです。その中に裁判官とか、弁護士といった人達も含まれていました。それから3月に入り、貿易をやっている人達、特に中央アジアと貿易をしているビジネスマン達を大量に逮捕することが始まりました。特に私よりも大きいビジネスをやっているウイグル人が、片っ端から逮捕されることになってしまいました。その一環として、カシュガル全人代の常務委員の重要な職務を担当している、ウイグル人の最も大きいビジネスマン、アブドゥル・ハジムという方を逮捕したんです。このアブドゥル・ハジムという方はとても有能なビジネスマンで、彼のビジネスで中国の品物が中央アジアに運ばれ、(中国にとっても)大きな貢献をした方で、そういう方が逮捕されていたわけです。
2015年の4月頃か5月頃か、自分は中国と台湾との商談の代表団に選ばれて、その代表団の一人として台湾に居たことがあるんです。今日はスライド等でお見せできませんが、台湾の商務大臣やそのクラスの人達と撮った写真もあります。私は2017年の5月頃、キリギスに居ながら祖国の情報が入って来ました。当局は最初ビジネスマンを逮捕し、その次にイスラム教の信仰の固い指導的立場にある人を逮捕し、その後、一般の信者を逮捕するようになりました。こういう状況を私はビクビクしながら、キリギスで聞くようになったのです。その中で、自分の友人で日本に病気を勉強しに行った友人がいましたが、その友人は「日本にテロを勉強しに行った」という理由を付けて逮捕されました。私は今回日本に来ましたが、テロどころか非常に平穏な社会なのに、色々な口実を付けてウイグル人を逮捕しているわけです。
国内の東トルキスタンの情勢が日に日に厳しくなって、罪のない人達が大量に逮捕されるので、自分はキリギスに居ても身の安全を心配するようになり、2017年6月4日、キリギスからトルコへ逃げました。私はトルコへ逃げても謹慎して政治活動も一切関わらないで静かにしていたんですが、しかし、私の兄を彼等が逮捕し、11年の刑にしてしまったんです。それから私の祖父二人をも、強制収容所に入れられてしまったんです。私の兄も私と同様にビジネスをして、成功したビジネスマンで、彼は中国の代表団に入って中央アジアの国々とビジネスするために行ったり来たりするような人でしたが、そういう彼でも強制収容所に入れられました。それから私の母も30年ほど中国で学校の先生を勤めていましたが、何も違法なことはしなかった。それに私の妻も何も違法なことはないのに、二人とも強制収容所に入れられています。

この女性は、実はカシュガルの政府当局の中で、外国に行く人達はまずパスポートを貰わなくてはならないので、その人に証明書を書く人です。私はパスポートを貰うために公安局に行きますが、その前に彼女の所へ行って「私は犯罪を犯していません」といった証明書を彼女が発行するんです。彼女も、強制収容所に入れられました。彼女はどういう方かと言うと、中央当局は2014年からウイグル人の宗教的な信仰を止めさせるキャンペーンを行い、その際彼女はカシュガルの3つの地域の責任者として派遣された女性です。結構、権力を持った女性でした。私は(仕事で)しょっちゅう出国するので、よく彼女が私に出国する証明書を書いてくれたので、個人的にも親しかったわけです。2017年の5~6頃に、たまたま中国のSNSで非常に隠蔽的な方法で(彼女は同じカシュガル出身なので)今、カシュガルにはこういった強制収容所が出来て、その強制収容所には若者が沢山入れられているのだと。しかし、若い人達が結構殺されていて、毎日何人か死体が出るのだと。一週間に何人も死体として出ている、ということを教えてくれました。
私の母が入れられている強制収容所では、朝5時に起こされて朝8時半頃に食事をしますが、朝5時から朝食を摂る8時半までは仰向けに座らせ、動かせないような体罰を受けさせられていたようです。朝食が終わった後、昼食までは(あたかも殺人犯のように)下向きに座らせ、昼食はお湯にキャベツを入れたようなもので、ご飯もほんの少しの粗末なものだそうです。昼食の後、ずっと下向きに座らせて、ずっと夜の10時半までそのままです。これは体罰です。私の母は70歳を超えており、クッションもない鉄の椅子で長時間ずっと座らせることが続きました。

強制収容キャンプには2種類あって、公務員キャンプと一般キャンプがあります。母は教員だったので公務員キャンプに入れられ、その公務員キャンプにはトイレもあり、まだ待遇は良いようです。ただ、妻が入れられているキャンプは一般キャンプで、もっと酷い、トイレの状況も悪いようです。一日にこのボードの3分の1程度の紙を手渡すだけ(それでトイレも済ませよ、ということ)らしいです。
私がこの状況を聞いたとき、母を非常に心配しました。このままだと、母は非常に苦労する。大変な苦痛、拷問だ。そこで私は中国当局に「弾丸の費用は私が出すので、私の母と妻を殺してくれ」と、テレビで声明を発表したんです。私がこの訴えを出した時、世界中のメディアが私の訴えを流しました。BBCやABC、ロイター、トルコのテレビチャンネル等、私のこの訴えを流しました。普段なら中国当局は「それは嘘だ」とか「それは存在しない」とか、すぐに行動を起こしますが、今回は中国は終始黙っていたんです。
私の母や妻の状況について、実はトルコに女性の方が逃れて来ています、その彼女が実際に強制収容所の中で何が行われているかを話してくれました。
母のような女性には鉄の椅子に手錠のような重りが付いた手枷・足枷を付けて、ずっと朝から晩まで座らせる、大変な苦痛を強います。また1m平方の小さく狭い部屋の中で手枷・足枷をされたままネズミを何匹も放置され、ネズミが身体を登ってきて体中を齧るわけです。そういった大変な苦痛を与えるんですね。そういう虐待を母や多くのウイグルの女性達・男性達が受けている、これが強制収容所の実態なんです。それから女性たちを裸にさせて、様々な侮辱、イジメ、虐待を日常茶飯事に与える、ということです。しかも体罰を受けたら中国語で「謝謝」=「ありがとう」と言わなければならない。そういう、我々の想像もつかない、残虐な状況のわけなんです。
私はこういう形で、世界中に訴えて来たんです。しかし、私の訴えは、ほとんどこの世界を動かすことは出来なかったんです。そこで、私はここで安倍晋三首相はじめ、日本の皆さんにお願いしたいことは、私のこの苦労している、イジメられている、虐待されている、母と妻を「殺してくれ」と。このメッセージを安倍先生が中国に伝えて欲しい。それをお願いしたい。そのために私は今、ここに立っています。
私の、今この手に持っている母は先ほど述べた通りですが、私の子供が今、どういう状況にあるのか、全く知らないんです。私が得ている情報では、その子供たちが、場合によっては中国人の家に養子として与えられてしまったり、あるいは中国語の教育を受けて中国人に同化されたり、あるいは道に迷って浮浪児になってしまったり、様々なケースがありますが、自分の子供がこれらのどういったケースになっているのか、私は心配で心配で堪りません。夜は・・・自分の子供がどこに居るのか、親として本当に心配で心配で堪らないです
私は今回、日本に来て「こんな悪質な政権」を日本の皆さん、世界の皆さんに知っていただきたい。私は安倍晋三総理の公邸の前で、明日から立ってこれを訴えたい。それを決意して、ここで皆さまにこの自分の決意を表明させていただきます。私の話はここで終わります。ありがとうございました。(会場・大拍手

その他、ウイグル人の方々

※まだ若干時間に余裕があったので、藤井厳喜先生が紹介を促された

私の名前はシャドゥシャラ・シャライ(筆者注:ヒヤリングが非常に困難で、表記ミスの可能性がある)と申します。オランダから参りました。
私は日本と日本に就いて、多くのことを聞いたことがあります。私が大学で学んだ際、大学の先生から、毎回我々を励ます際に、必ず日本を例にお話をしておりました。だから私はずっと日本は憧れて来た国で、日本に来て日本の皆さんと出会いたい、友好を築きたいと、ずっと私の頭にありました。
それからもうひとつ、有り難い話があります。私は大学で学ぶ際、日本人が提供して下さった奨学金で学びました。だから私は、日本の皆さまに対して心から敬意を持っておりますし、尊敬しております。
私はこの場を設けて下さいました先生方、そして今日この場にいらっしゃる先生方に、私は心から御礼申し上げたいと思います。
それから私はオランダに在住しているウイグル人の皆さん、私の家族、それから私自身、皆さまに対するご挨拶と感謝の気持ちをここで表明いたします。ありがとうございます。(会場・大拍手
先ほど、私達のリーダーのセイットさん、それから私達のトゥール、それからアブドラルラフマンアイシャンさん、こういう方々が我々の状況を今日、皆さんに紹介しました。その中で私も、同じ中国の被害を受けている人間です。
私がウイグルを離れたのは2001年からなんです。私は1993年に大学を卒業し、私の父は普通の人だったので、私は「それなりの仕事」を見付けることが出来なかったのです。それで私は「自分で自立したい」という思いで、中央アジアのカザフスタンに行き、ビジネスを始めたのです。その後です、一度(ウイグルに)戻ったのですが、「まだ状況があまり良くない」ということで、また中央アジアに帰って来てビジネスを続け、最終的にオランダに亡命することを決めたのです。
私はオランダに亡命した後に、すぐウイグル人の団体を立ち上げるということをやって、ずっとその団体をリードし、今日に至ります。オランダでウイグル人の人権問題、独立運動を、私の組織がしっかりやっています。だから私の母国にいる親族、家族は、私と連絡は出来ないのです。最終的に2016年には、私の兄弟、家族は、私との関係を断ち切ったのです。母は私との関係を切り落とすことが出来ないので、ずっと2017年まで連絡を取っていたのですが、突然「今後、一切の連絡は止めましょう」と言って来たのです。それから、一切の消息が分かりません。生きているのか、他界しているのか、収容所の中にいるのか外にいるのか、何をしているのか、全く分からないです。
今まで色々な話をしましたけれども、皆さんから疑問が来るわけです。「なぜ中国はこんな酷いことをするのか?」と。一言で言えば、彼等がウイグル人を絶滅したいわけです。今の世界情勢を見れば、中国の動きを見れば、中国は当然国際社会における自分の影響力を強めているのです。それで、覇権を目指しているわけです。だから、そのためには、国内を安定しておかなければならない。
東トルキスタンに来ている中国人というのは、犯罪者か、自分達の生活を成り立たせられない浮浪者か、そういう「ならず者」ばかりなんです。彼等は祖国に対して愛情は全く無いし、祖国に対して発展をさせようなどとは全く無く、自分のためだけに来ています。何か起きたら、全てを捨てて自分の国へ逃げて帰ります。だから中国は、脅威になっているウイグル人を一日も早く絶滅させたいわけです。中国は東トルキスタンを全部自分のものにした場合は、次は日本とか、他の国を狙うでしょう。そういうことになると、いくらアメリカが強くても、中国の野望を阻止することが出来なくなります。だから、我々世界、人類が一致団結をして、中国の野望を阻止しなければなりません。こういう政権を潰さなければならないんです。これはウイグル人のためだけではなくて、日本の安全保障、世界の平和に繋がっています。ありがとうございます。(会場・大拍手

ゴメンナサイ、キリギスから大事なお客さんを忘れておりました。(会場・大拍手
彼はキリギスの「団結」という団体の副議長なんですよ。キリギスには6万人のウイグル人が、もっと多いかも知れないけど、住んでいらっしゃるんですね。そのウイグル人達のリーダーなんです。5~6万人ぐらいのリーダーの一人なんです。宜しくお願いします。
(以下、トゥール・ムハメット氏の通訳)

皆さん、こんにちは。私はキリギスから18時間飛んで東京に参りました。キリギスのウイグル人の皆さんが、私にぜひキリギスの皆さんの気持ち、挨拶をぜひ日本の皆さんに伝えて下さい、と託しましたので、そのご挨拶を皆さまに、ここでお伝えいたします。それからキリギス(の)「団結」という団体のご挨拶を皆さまにいたします。
私は、キリギス生まれなんです。しかし、元がカシュガル(出身の出自)なんですね。だから私は、自分は一人の東トルキスタン人として、誇りを持っています。中国が満州の時代、1770年代に一度東トルキスタンを侵略して、そこで私達は独立運動をやって、一度追い出したんです。二回目、彼等がまたやって来たので、これに対して我々は1933年、カシュガルに独立国家を作った、そういう歴史があります。
私の父は、1950年になるまでずっとカシュガルに住んでいて、1950年代に中国共産党がやって来たときにキリギスに逃げたんですね。キリギスタンに逃げて、私はキリギスタンに生まれたわけです。しかし、私達の親戚が、まだカシュガルに住んでいるんです。それまではずっと親戚関係を保っていたんですが、この収容キャンプが始まってからは、電話をしても誰も電話には出ないし、場合によっては、私達が電話をすると「外国から電話が来た」ということで逮捕されるということを聞いていたので、自分達の親戚がどういうことになっているのか、生きているのか死んでいるのか、収容所に入れられているのか、何も全く分からないんです。私達はキリギスに住んではいるんですが、こういう状況なので、色々と心配事はあるわけです。自分達の祖国の未来に対して、すごく関心を持ってますし、この状況をどのように変えていくのかもしっかり考え、キリギスで広く訴えて頑張って行こうと思っております。今日、ここに来られた皆さん、それから皆さんを通して、日本の多くの方々に私の方から、キリギスのウイグル人として、御礼を申し上げます。ありがとうございます(会場・大拍手

頭山興助会長による挨拶

皆さん、今日は遅くまでありがとうございました。
私が10数年前、このウイグルの問題に入り込んだ理由は何かと申し上げますと、今日、何人かのウイグルの皆さんからその答えが出ておりまして、今、日本がここで決意を固めなければ、「ウイグルの二の舞」になってしまうということ。中国が「日本人は金持ちの国だから」大丈夫だと思っている、「アメリカが守ってくれている」アメリカの基地が本当に中国に向いているのか、日本人に向けて鉄砲が向いているのか、こんなことはアメリカの都合でどっちにでもなるわけです。
私はそういうことを考えると、今、我々日本人が独立したものの考え方をしっかりと腹に決めて、今日のお話にあったように、平気でこういう目を見せる中国でありますから、日本が沖縄なんか本当に危ないと思いますが、東京も同じことであります。
ミサイルの時代ですから、沖縄で起こっていることが、東京で起こってもおかしくない。どうか皆さん、我々が力を合わせて日本の国を護って行こうじゃありませんか。
そして強い日本が、日本を強くして、ウイグルの皆さんと共に中国と闘って行かなければこの問題は解決しませんし、明日には日本にミサイルが向いて来る、弱みを見せたら向いて来る。そのことを今日しっかりとお分かりいただけたら、幸いでございます。この会をやりました意味がある。本当に、ありがとうございました。(会場・大拍手

おわりに

トゥール・ムハメット氏は最後まで同時通訳の格好でずっと演台に立ち続け、簡潔明瞭にウイグル語(初めて聞いたが、実にフランス語のような鼻母音の発音であり、聞き取れる単語もフランス語に近くて非常に驚いた)の通訳に務めていたが、アブドラルラフマンアイシャン氏のスピーチの最後の最後には、言葉に詰まり、声を震わせていた。通訳が終わり、約2分ほど、氏は個人的にいかに中国の共産党政権が悪魔的で、かつウイグル人にとっていかに「地獄より辛い」かを力説された。そしてその悪魔の政権が日本の隣国にあり、間違っても日本は中国に与することのないように、念を押されたのだった。
あの世に地獄があるとして、そして仮に地獄に堕ちたとしても、当の本人は死んでいるのだから、現世の生き地獄よりは遥かに過ごしやすかろう。最後まで記事に採用するかどうかを悩んだが、これはこの場にいて話を聞いた者でなければ真の共感は得られにくいと判断し、敢えて記事として収録はしない。要するに、本当の「生の声」を直に聞かなければ、いくら私が苦労して細大漏らさず起こしたテキストを読んだとしても、ダメなのだ。
また、『論語』で良く引用される言葉に「義を見てせざるは勇無きなり」があるが、この記事を読んだ読者はどのような感想を持つだろうか。これは冒頭、今村洋史先生も引用された言葉でもある。日本人は、勇気を持たない、そんな腰抜けで良いのだろうか
敢えて宣伝させていただくと、来る6月1日(土)に第57会呉竹会アジアフォーラムが予定されている。ぜひ参加して日本を良くして行こうとしている人達の「生の声」を、その熱気を感じていただきたく思う。

最後に、今村洋史先生のスピーチを収録出来ず、かつ記事の公開が遅れに遅れたのはひとえに私の不徳の致す所であって、最後までこの長い記事を読んでくれた読者に、お詫びをしたい。

参照

 

 

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