9月6日に北海道胆振東部地震(以下、本稿では「北海道地震」と略)が発生し、北海道電力(以下、「北電」と略)最大の火力発電所である苫東厚真発電所が停止したのをキッカケに北電管内の他の発電所が停止。結果として道内全域でブラックアウト(大停電)してしまった。
TwitterやFacebookでは専門家から一般人まで(北海道在住の人から北海道外の人まで)実に様々な意見が激しく飛び交った。その中で、原発再稼働については平行線な論戦が至るところで発生した。
私は基本的に原発推進派なのだが、反原発派のツイートを見るにつけ、松本零士先生の『無の黒船クライシスⅢ』というマンガを思い浮かべていた。
本稿では、私見を交えながら『無の黒船クライシスⅢ』を取り上げて日本の病巣について論じてみたい。
ブラックアウトの発生とその影響
地震によって苫東厚真火力発電所のボイラー管が破損し、発電稼働中の2号機と4号機が緊急停止してしまった。
地震発生時の北電管内の電力需給が300万キロワットの中、苫東厚真火力発電所だけで165万キロワットを供給していたため、電力需給のバランスが大幅に乱れ、送電周波数(北海道を含む東日本は50Hz)が低下したために他の火力発電所も停止となり、結果としてブラックアウト(大停電)が発生したのだった。
日本は商用電源周波数が東日本(50Hz)と西日本(60Hz)で異なるが、この周波数で交流電流を送電しないと、当然ながら電気を使う全ての機器が誤動作したり最悪は壊れてしまう。特にハイテクの塊である各種コンピュータ機器や医療機器はひとたまりもない。
北電の対応は当然ではあるが、影響範囲は約295万戸にも及んだ。
北海道地震とブラックアウトの影響については、帯広市在住の小野寺まさる氏の動画を視聴していただいた方が、関東に住む私が書く文章より説得力があるだろう。
この動画は9月12日に収録された吉田康一郎TV(SPゲスト小野寺まさる氏)の前半部分だが、医療を含む市民生活のほか、酪農・農業・工業・物流・観光業に甚大な被害が出た。動画では5兆円以上の損害が出るだろうと言っている。
電力の喪失によるブラックアウトとは、かくも甚大な被害が出てしまうことを、我々日本人は思い知ったのである。
北海道地震に対する反原発派の言い分
左に振り切れていて、もはやネタかギャグでしかないが、あえてリテラの記事(北海道地震の大停電にかこつけホリエモンらが「泊原発を再稼働させろ」の大合唱!でも泊原発下には活断層の指摘も)からその言い分を拾ってみよう。
- 泊原発の再稼働は原発再稼働に躍起になってる安倍政権と原子力ムラによる地震の政治利用で、再稼働に向けてキャンペーンを打つだろう
- 泊原発はブラックアウトによって電源を喪失したが、運転を停止していたので原子炉に核燃料がなくて「不幸中の幸い」である
- 泊原発1号機直下の断層は動いていないと証明できるのは約1万~3万年前までであって、これは活断層に当たる(つまり活断層だから危険と言いたいのか?)
- 北海道新聞による世論調査では「再稼働せず速やかに原発ゼロにする」が29%で最多であり、北電は活断層の危険性を押し切ろうとしている
記事を読んでいて、軽くメマイがしてくる。
小野寺まさる氏の動画を視聴していただくと分かると思うが、この記事は偏見と思い込みと無責任でしかない。不安を煽って終了なので、もはや害悪レベルだ。なので、いちいち批判や否定する気にもならない。
だが、ひとつだけ指摘すると、反原発派は日本にはありとあらゆる場所に活断層があり、その上に原発がある以上、第2の福島原発の悲惨な災害が起こると言いつのる。
だから原発は停止して脱原発にし、その代替発電として再生可能エネルギー発電の太陽光発電を推進する、という論法だ。
事実、民主党の菅政権以降、日本各地で森林伐採をしてメガソーラー発電所が設置されたし、今でも建設しているが、その環境破壊と災害時の危険性、短い耐用年数を迎えた後の廃棄等、反原発派やマスコミは一切何の説明もしてないではないか。
そもそも太陽光発電は太陽が出ている日中のみの発電で、それも天候によって発電量がバラつくという代物である。上述したように、根本的に安定した送電周波数を維持出来る発電ではないため、ベースロード電源にならないのは小学生でも分かるだろう。
だから火力発電だって?世界的にCO2排出量を規制しようってご時世なのにバカなの?
『無の黒船クライシスⅢ』とは?
『無の黒船クライシスⅢ』は、竹内均東大名誉教授が監修した松本零士先生のマンガで、私は平成元年3月(Vol.1)と5月(Vol.2)にリイド社から出版された本を持っている。
内容としては、平成10年から12年までの、(出版当時から)極めて近い近未来の日本の危機を(今から思えば)かなりリアルに描いた作品で、一部SF要素もあるが、近い将来に十分起こりえそうな内容である。ザックリとしたストーリーは次のようなものだ。
- あらゆる金属を溶解させる謎のクラゲが日本海と太平洋に大量に発生
- 国内の原発が全て止まる(日本の原発は沿岸部にあり、冷却用に海水を使う)
→当然、水産関係設備や工業生産用の設備も止まる→食料や外貨を稼ぐ製品が作れない - 国籍不明の武装組織が日本を破壊しようと暗躍する
- 偵察・監視・気象・資源探査と、日本の人工衛星がレーザー攻撃で全て機能不全に
- 食料が配給制になり、余計に欲しければ闇で輸入するしかない
- 電圧を下げるローソク送電になる
- 電気が足りないのに賛否両論で原発を稼働できない
- 国籍不明の武装組織が領空侵犯(いつでも原発を攻撃可能だという示威行為)をする
- 航空自衛隊は一発も撃てない
- 日本のタンカーを守るために海上自衛隊が護衛に艦隊を派遣するが、一発も撃ち返さずタンカーの盾となって散華する
→原油の輸入が完全に止まる - 日本は分割占領され、陸上自衛隊は一発も撃たずに後退し、各国から略奪される
最後にはクラゲの対策が終わって停止していた各地の原発を総点検し、その間に一部の陸上自衛隊が立ち上がって国籍不明の武装組織に抗戦つつ、原発の再稼働をして武装組織が日本から引き上げるのだが、どうだろうか?
無論、細かい点を挙げれば、地球環境保護の立場から江戸時代に戻ろうという主張もあるし、江戸時代とは比べものにならない人口と生活レベルを維持するために原発再稼働が必要だという議論も作中にはある。
上述の内容で特に問題なのは、
- 国内の原発が全て止まる
- 電気が足りないのに賛否両論で原発を稼働できない
- 憲法により交戦権がない自衛隊
だろう。
そして、日本の破壊を企む国籍不明の武装組織についても注目するべきだ。
分かりやすく言えば、その武装組織は現在の支那であり、韓国・北朝鮮だと言える。それを30年も前にマンガで訴えていた松本零士先生の慧眼には恐れ入るとしか言いようがない。
現に今、国内の原発が止まり、電力が足りないのに原発が稼働出来ないではないか。
支那は北海道の水源地やリゾート地を爆買いし、支那人村を形成している。支那が尖閣諸島にチョッカイを出しているのに、自衛隊は何も出来ない。
北朝鮮は日本に向けてミサイルを打ち込むし、韓国人は対馬の土地を好き勝手に買い、しかも「対馬は韓国領だ」とほざいている。
思い出して欲しいのだが、大東亜戦争でアメリカと環太平洋戦線を戦ったのは、ひとえに「石油」の欠乏に起因する。
戦中・戦後の日本を知る松本零士先生の強烈な体験があるからこうした作品が描けるのだが、エネルギー問題が解決しない限り、今後も資源確保と領土拡大の戦争(しかも静かな侵略戦争)はなくならないのかも知れない。
ともあれ、戦後の日本は北海道や九州で炭鉱を掘り、石炭によるエネルギーで復興して行ったのは周知の通りであるし、原子力開発によって原発を建造してより安価で強大なエネルギーによって世界に冠たる超経済大国になった、とも言えるのである。
確かにアメリカのスリーマイルや、旧ソ連のチェルノブイリで原発事故が発生し、日本でも福島が地震による津波と民主党政権の人災で原発が水素爆発を起こし、結果としてメルトダウンした。
しかし、スリーマイルやチェルノブイリは人災の面が強いが、福島は繰り返すが「地震による津波と民主党政権の人災」である。それでも世界的に左派リベラルは脱原発を叫び、実際にヨーロッパでは原発をゼロにする政策が支持された。
日本では反日左派が脱原発を声高に叫び、今回の北海道地震で電力が足りていないにもかかわらず、泊原発を再稼働出来ずにいるではないか。もうすぐ10月で北海道では場所によって氷点下まで気温が下がるだろう。反原発派は北海道民に死ね!と言うのか?
反原発派は日本を滅ぼしたい反日勢力の手先
2009年(平成21年)に誕生した民主党政権の3年余りに及ぶ悪夢と、様々な日本における破壊・破滅行為は、未だに日本に深刻な負債を残している。
そのひとつが菅政権による原発停止命令であり、原子力規制委員会の設置である。そしてソフトバンクグループ会長の孫正義と結託し、再生可能エネルギー発電の固定買取価格制度によって、自然破壊と害悪で無責任極まりないメガソーラー発電所の設置を促進し、不当に高い電気料金を国民が負担し続けることになったのだ。
事業者ならば、家庭よりも遙かに大きな電気代を負担することになる。単純にコスト増になるため、それだけ日本は外国よりも競争力が落ちることになる。日本を滅ぼしたい以外に、何が考えられるだろうか?
・・・ここまで書いてさすがにウンザリするが、民主党は民進党になり、民進党は解体されて立憲民主党その他に別れたが、未だに支持している国民が僅かでもいるということだ。いわゆる「安倍政治を許さない」人達が、カルト宗教のように憲法9条を守れと叫び、反原発や脱原発を叫ぶ。
旧民主党の主要な議員で今でも議員バッチを付けていたり、発言力がある人達がどういう人物なのか、在日の帰化議員だったり二重国籍だったり親中・親韓・親北朝鮮の人物ばかりではないか。
民主党政権時代の失政と日本の破壊・破滅行為を「日本を取り戻す」と立ち上がった安倍政権に全てなすり付けるのは、絶対に間違っている。
私のことをネトウヨ呼ばわりしてバカにするのは結構だが、今一度、冷静になって考えて欲しい。
松本零士先生が言いたいことは、正にこれだろう。私も完全に同意する。
今は安定した安倍政権と日銀による異次元の金融緩和により、1ドル110円を超え日経平均株価は24,000円を超えた。
確かに好景気になった実感は薄いが、どこも人手不足で失業率は3%を割ったのだ。これはほぼ完全雇用と言って良い状況だ。
それに引き替え、民主党政権時は1ドル80円で日経平均株価は8,000円台、失業率が5%超だったこと考えると、仮にあのまま民主党が政権与党で脱原発のままであれば、火力発電に必要なLNGやLPガス、国家の血液である石油の購入さえままならなくなる。
すると当然ながら各種生産活動(工業・農業・漁業等)は弱まり、外貨を稼げなくなって国民の生活はどん底になるといった負のスパイラルが容易に想像出来るだろう。無論、国防や被災地復興支援に携わる自衛隊だって活動が出来にくくなる。
日本を破壊して支那に売り渡し、支那人や韓国・朝鮮人に日本を実効支配させたい民主党の最終的な目標はそこにあった。
それは私のネトウヨ的な妄想だと笑い飛ばすなら、旧民主党議員の出自を調べてみれば良いし、支持団体や企業を調べてみれば良いだろう。日本共産党や社民党も同じ穴のムジナだ。
それでも反日左派と一緒に反原発を叫びますか?原発を止めている以上、火力発電を稼働させるために日本は年間7.3兆円の燃料費(2014年での数字で現在は6兆円~?ちなみに日本の防衛費は約5兆円)を使っている。クドイようだが、安倍政権で景気が良いから賄える金額だ。
松本零士先生は『無の黒船クライシスⅢ』において「明治維新、第二次世界大戦の次に弟三のクライシス(危機)が訪れる」と予言し、警告している。
古いマンガだが、興味を持った人はぜひ購入して読んでいただきたい。そして日本の政治にも少しは関心を持って、考えて欲しい。可能なら考えるだけでなく、選挙に行って投票して欲しい。
日本人は余りに政治について無関心過ぎる。
おわりに
今年は平成最後の年だというのに、4月に島根県西部地震、6月に大阪府北部地震が発生し、7月の豪雨によって被害が拡大したし、新たに被災地が増えてしまった。8月には台風20号がやはり西日本で猛威を振るったし、そこへ9月の北海道胆振東部地震の発生である。
日本は古来より地震大国であるから、その対策はやって来たし、これからも対策して行くだろう。
しかし、近年のゲリラ豪雨や異常な台風は明らかに地球の気候変動の異常さを示すものではないだろうか。7月の豪雨は今まで日本人が体験したことのない異常な災害である。世界中の火力発電所で化石燃料を燃焼していることと、無関係ではないだろう。
人類は核に手を付けてしまった以上、今後も安全に利用する方法を研究・開発して行くべきだと、私は考える。
現在ある原発は、反原発派の意見的には廃炉にしない限り危険なのだろう。原子力規制委員会の規制は非常識なほどムチャクチャだ。
ちょっと考えてみて欲しいのだが、原発は発電しなくともコストが発生して事故リスクがある。であれば発電した方が良いに決まっているではないか。日本の原発は世界一厳しい建築基準で建造されているのを、忘れてはならない。
原子力の研究・開発を進め、月面にあるヘリウム3を採掘し、常温核融合が実現出来れば、人類のエネルギー問題は解決するんじゃなかろうかと思うのだが。
多分、私が生きているうちには実現しないだろうけれども。
参照
- 北海道地震の停電でホリエモンら「泊原発再稼働させろ」北海道地震の大停電にかこつけホリエモンらが「泊原発を再稼働させろ」の大合唱! でも泊原発下には活断層の指摘も(編集部・リテラ・2018年09月07日)
- 北海道地震、未曽有の大停電は菅直人にも責任がある(澤田哲生・iRONNA・2018年09月07日)
- 電力の88%を火力で作る、燃料費は10社で年間7.3兆円(スマートジャパン・2015年07月22日)
- 孫正義と菅直人のおかげで日本の再生可能エネルギー発電は壊滅しました。(No!SoftBank)
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