米国セレブのエゴと 日本人のエゴと ネトウヨと

私はSNSで新しいニュースを知るというよりは、毎日大量に送られて来るメールやメルマガでニュースや業界動向をザックリ知り、詳しくはサイトの記事を読んで知ることが多い。
たまたま、次の記事を読んで笑ってしまった。

(´ー`)y-~~oO(そう言えば、ニューヨークでは電気代や水道代は家賃に組み込まれているから、日本人と違ってアメリカ人はエコ意識がないらしい。確か城山三郎の小説で、マンハッタンだかでユダヤ人の店子が水道を出しっ放しにしてアパートを乗っ取る話があったなぁ)

本棚を漁ると、我ながらよくここまで買い集めて読んだモンだな、と感心するほど城山三郎の文庫があるが、はて、どの文庫に入っている小説だったろうか?
多分、この辺だったか?と思い、つらつらと読み始めた。

・・・Q銀行の八重洲支店で融資係長だった伊東は、銀行上層部と保守系政治家を巻き込んだ融資先(米倉)へ、無理な融資をしなければならなかった。実際、伊東は米倉から個人的に見返りを受けてはいたが。その融資先はゴルフ場を中心としたレジャー開発名目で、ひと口100万円の入会金を約5千人から集めておきながら、土地の手当てもせずに銀行からも巨額の融資を詐取していた。その融資先が計画倒産ともつかない倒産をし、社長の米倉が大金とともに海外へ逃亡したせいで、伊東は事件の発覚を恐れた専務から「なるべく遠くへ」と命じられ、シンガポールへ飛んだ。
シンガポールには大学の同期生で、弱電メーカーの外国部で現地の合弁会社の支配人をしている、親友の元村がいた。ゴルフ場でバッタリ会った二人は、その夜日本料理屋で会って話をするが、私は次の元村のセリフにハッとした

「そうだ。どんな役職につこうと、おれたちから、兵士の意識は消えない。軍隊にこそ入らなかったが、おれたちは、兵士の時代に育ったものなあ。深く考えない、理屈はいわない、反抗しない、自己犠牲は得意だ。いろいろ考えているようでも、やってることは、兵士と同じだよ」

出典:城山三郎「遠くへお仕事に」P72より
(新潮文庫『イースト・リバーの蟹』所収、初出『別冊文藝春秋』129号・昭和49年9月)

戦後、日本が復興した背景には、こういった(使い古された表現だが)「企業戦士」がいた。「企業戦士」と言うよりは、「深く考えない、理屈はいわない、反抗しない、自己犠牲が得意」な、単なる「兵士」だったのかも知れない。
日本人は戦後、イエローモンキーだの、エコノミックアニマルだのと世界(の白人)から散々差別されながら、工業製品その他を生産し、広く世界中に販売して米国に次ぐ世界第二位の経済大国になった。
1980年代は誰もが「財テク」と称して株や土地に投資し、それがバブル景気となり、日本人の慢心が最高潮に達したところでバブルが弾けたワケだが、その後はずっと景気が低迷し続け、ついに「失われた30年」になってしまった。
先進諸国で日本だけが経済的に成長せず、目先のことばかりに汲々としている。所得格差は開くばかりだし、近年では保守系ネット民が特亜三国や左派勢力を叩くばかりだ。
先の大戦の意義を正しく知り、散華された英霊を慰霊して顕彰する必要はあるが、それにしても余りに先の大戦や日本を賛美し過ぎな嫌いがあると思う。そればかりか、ノンポリの無関心層を「お花畑」と称し、わざわざ「お花畑覚醒」としてSNSで啓蒙しようとしている人達もいるし、保守系同士でいがみ合ってさえいる

ちなみに、著者の城山三郎は昭和2年生まれで、杉本五郎中佐の『大義』に影響され、心酔した軍国少年だった。父親の配慮と勧めで兵役が免除になる理系の学校に一旦入学するも、中退して海軍特別幹部練習生になったほどだ(城山三郎特攻隊伏龍部隊に配属され、訓練中に終戦を迎えた)。
城山三郎の文学は、一貫して「組織と人間」もっと言えば、「組織と個」がテーマであると言えるが、それは軍隊という圧倒的な組織に所属し、上官から不当に殴られてイジメられ続けた個としての城山の、現代社会に対する「問い」であったろうと思う。戦後の日本社会の圧倒的な組織は官僚組織であり、大企業であったのだから。その組織の中で「企業戦士」として、組織の論理で戦わざるを得ない個人を見つめた作品が多い。
作品の中で、元村はさらに続ける。

「なぜ、おれがまた出されたと思う。それは、おれが兵士中の兵士だからさ。よく働くし、命令どおりの業績を上げる。それに兵士の分際を守って、出しゃばらず、敵もつくらずやってきた。ここの会社は、社長は現地人だが、日本人の支配人つまりおれが、経営を任され、三百人の人間を預かることになる。なまけたり、山気のある男では困る。何より、きちんとやってくれなくては」
「・・・・・・・・・」
「上は人間を見る眼があるよ。たしかにおれは、命令だけ出しておけば、安心して任せられる男なんだ。つまり、上等の兵士さ。きみだって似たようなものだ。きみはきみで、いわれたとおりに、まちがいなく悪事を働き、また、まちがいなく逃亡する」
「つまり、歯車のようなものだな」
「歯車だって? そんな結構なものじゃない。ただの兵士だ

出典:前掲書P74より

イースト・リバーの蟹 (新潮文庫)

イースト・リバーの蟹 (新潮文庫)

城山 三郎
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私は団塊の世代のジュニアだが、自分達の親世代や、その上の親世代がどれほど身を粉にして働き、日本に貢献して来たのかを正しく知る必要がある。現状のダメなところは文句を言うよりもまず、ひとつづつ地道に改善しなければならない。
先人の偉業にあぐらをかき、文句ばかりをSNSで並べて何もしない、前時代的な「兵士」にすらなれない日本人が多くなり過ぎた

そんなことを思う一日だった。(´ー`)y-~~oO

・・・あれ?地球温暖化とエコは?Σ(°Д°)

 

 


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