東日本大震災から10年、台湾産パイナップル人気と尖閣と~恩返しと領土問題は別だ!

何年も前からではないが、私は日台関係の興味から日本李登輝友の会のサイトをチェックし、メルマガ(無料)も購読している。
不定期ながらも発行頻度が割と高いメルマガではあるが、受信すると都度読むようにしている。

図は先月(2月)27日発行のメルマガだが、図赤下線にある通り、支那が3月1日から台湾パイナップルの輸入停止を発表、とある。
無料のメルマガとは言え、無許可で転載するワケには行かないので(特に「無断転載不可」と書いてはいないが)、簡単にまとめると次の内容となる。

  • 2月26日、台湾の農業委員会の記者会見で25日に支那の関税当局から「台湾産パイナップルから何度も害虫が検出されたため、3月1日から輸入を停止する」という通知があった
  • 時事通信は「中国が敵視する台湾の民進党・蔡英文政権への揺さぶりとみられる」と伝えるとともに「台湾の果物農家の貴重な収入源であるパイナップルが狙い撃ちにされた格好だ」と報じた
  • 台湾のパイナップルの年間生産高は43~45万トンで、2020年の輸出量4万5621トンの内、97%が支那(年間約57億円)、日本へは2%、香港へは1%であった
  • 昨年3月から5月の間、農業委員会に台湾産パイナップルから「コナカイガラムシ」を検出したと支那から通知があり、農業委員会は10月19日から農家が輸出を申請する際に包装向上の資料の添付を義務付け、輸出品を栽培する果樹園の指導と輸出前検疫措置も強化した(その後、支那に台湾産パイナップルを5121トン輸出したが、一度も支那から不合格の通知は受けていない
  • 昨年10月半ば以降は害虫は検出されていないにもかかわらず、「害虫が検出された」ことを理由に輸入停止を通告をするのは、蔡英文政権への「嫌がらせ」であり、打撃を与えるものでしかないのではないだろうか

普通に考えて、今回の急過ぎる「台湾産パイナップル輸入停止措置」は、昨年のオーストラリア産ワイン関税引き上げの例もあるから、支那による台湾イジメの一端だと考えるのが妥当だろう。
すると、本当に支那は台湾に対する「嫌がらせ」を通知どおり実施し、3月1日に輸入禁止を実行してしまった。
その前にちょっとだけ、補足説明をする必要がありそうだ。
日本李登輝友の会は、以前より「台湾で喜ばれる大人気の青森県のりんご」等をアピール(国内販売)をすると共に、台湾土産の定番の「パイナップルケーキ」と「マンゴーケーキ」、それに「台湾産天然カラスミ」の国内販売を実施している。
恐らく「日台産品を国内で流通させて日台の相互理解の普及と深化を促進させたい」といった理由があるのだと思うが、今月(3月)4日発行のメルマガで「中国が輸入停止した台湾パイナップルを日本で買って台湾に恩返し」との記事を載せている。
それと前後して、3日夜に蔡英文総統の日本語ツイートがバズっていた。

また、今年は東日本大震災から10年の節目の年でもあり、折しも日本台湾交流協会「東日本大震災にかかる日台友情エピソード」を募集し、寄せられた「東日本大震災の日台友情エピソード」を順次同サイトで公表しており、日本李登輝友の会のメルマガでも紹介していたのだ。

そんな背景もあって、ごく一部の口の悪いツイ民は「支那にイジメられるたびに日本を頼ってくるな」と嫌悪感を吐露していたが、大多数の日本人は「今こそ台湾に恩返しをしよう!」と盛り上がり、Twitterに限らずネットでは「どこに行けば台湾産パイナップルが買えるのか?」といった、大きな関心と盛り上がりを見せた。

上述した4日発行のメルマガ「中国が輸入停止した台湾パイナップルを日本で買って台湾に恩返し」の記事には、そういった日本人の「恩返し」について、残念なお知らせもしている。
曰く、「台湾からのパイナップルは、日本向け輸出用にはまず世界一厳しいとも言われる日本の農薬基準をクリアする必要があり、加えて害虫などが入っていないかどうかを検査する植物検疫も受ける必要がある」上に、船便のコンテナでパイナップルを目一杯積むと1コンテナ当たり300個になるため、「店舗数が多く、輸入経験のある大手スーパーの出番」としている(のちに7日付のメルマガで、西友その他のスーパーが販売していることを伝えた)。
週が明けて8日の月曜になると、地上波テレビのニュースで「台湾産パイナップル人気」が取り上げられるところとなり、「実は3月1日に支那が禁輸措置を取った」ことを伝えるマヌケな有様だった(今さら遅いんだよ!)。

・・・と、まぁ、いつもながら盛大に前置きが長くなったな。
10年前に発生した東日本大震災は私が今さら述べる以前に未曾有の大災害であり、原発がメルトダウンするという、正に「日本の原発(エネルギー)政策を左右する大災害」となった。
災害発生当時、支那や半島の対応に比べ、いち早く台湾は「(結果として)250億円を超える義捐金と多大な支援物資」等を日本にもたらしてくれた。
当時の菅内閣のダメさ加減に、被災地の絶望が絶頂になるバッド・ニュースばかりだったから、これほど嬉しいグッド・ニュースもなかっただろう。
私にも経験があるが、「苦しい時に助けてくれるのが本物の友人だ」と認識・体験した時、「この友人のためなら何でもしよう」と思うのは人情だ。
私は被災した人間でもなければ、台湾に対して悪意を持ってもいないから、だからこそこういうことを書くのが心苦しいが、台湾はそもそも尖閣諸島の領有権について日本の領有を認めていないのだ。

日本人なら、受けた恩義に報いるのは当然だ。
しかしながら、受けた恩義以上の感謝は無用であろう。それが他国民ならなおさらだ。
尖閣諸島を含め、下手をすると沖縄の領有権すら、近現代史をシッカリと勉強して理論武装しないと、支那や台湾の主張に日本人は簡単に言いくるめられてしまうだろう。
事実、日本政府は令和元年になる寸前にアイヌ新法を成立させ、ウソと捏造のウポポイを北海道に作ってしまった。
時期を同じくして「琉球独立」と「米軍基地を日本各地に公平に負担させよう」とする反日活動が表面化したが、今も大多数の日本人に気付かれないように活動をしている。
これに対して相変わらず政府・自民党は尖閣諸島に関して「日本が実効支配しているから領土問題は存在しない」と同じ論法で「アイヌ民族自決や琉球民族自決問題は存在しない」と頬かむりをしている。
なんたる偽善!

どこまで日本人はお人好しで思考が停止しているのだろうか。
本当はもっと早いタイミングで記事化したかったが、私も忙しくてねぇ(もうとっくにバカらしいと思っているので、本稿を書くのは実に苦痛だった)。

そんな一日だった。(´ー`)y-~~oO

 

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