日本人なのに日本語が通じない?Twitter等のSNSが荒れる理由

ここ何日か、しばらく振りで大学時代の友人と電話で話す機会があり、お互いIT系の仕事をしているから、仕事に関係する四方山の世間話で笑い合うのだが、彼がしばしば「もうさ、日本語が通じない相手ばかりなんだよ!」と言う。
私もそういった「日本語が通じない日本人」については以前から問題を痛感しているので、「それな!」と笑い合ってその場の会話は終了するが、午前中にTiddlyWikiのToDoリストとメモを整理してて、「ちょっと待て」と思った。
去年の4月のメモに「AI vs. 教科書が読めない子どもたち』購入・記事化」があり、シンギュラリティは絶対に発生し得ないといった、私が従来から考えているAIに関する持論が箇条書きしてある。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

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新井 紀子
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TiddlyWikiのtiddlerタグが「TODO」ではなく「ネタ」になっていたから、常に表示させているToDoリストの一覧に表示されず、私もスッカリ忘れており、本の購入すらしていなかった。
なんでこのメモをしたのか?また、なぜ「TODO」タグにしなかったのか?(複数タグを追加出来るのに「TODO」タグを追加しておかなかったのか?)は、tiddlerの更新日が4月1日の深夜2時5分になっているから、恐らく酔ってたんだろう。
去年の3月頃と言えば、新しい歴史教科書をつくる会(以下、「つくる会」と略)の「文科省不正検定」が保守系のネットユーザとその活動家の間で話題になっていた。
これは文科省の教科書検定で、つくる会系の自由社が発行する中学歴史教科書が過去の検定に合格していたのに、文科省から400を超える欠陥箇所を指摘され、反論書を提出するも全て認められず、一発不合格となった問題だ。

調べてみると、図の通り昨年の6月に憲政記念館で糾弾集会が開かれ、YouTubeでライブ中継をしていたようだ(私はどちらも不参加)。
恐らくメモを書いた動機は、(文科省による教科書の不正検定は確かに問題だが)「今の中学生は教科書を理解できるのか?」である。そこで深夜にググッた先の記事で『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』が紹介されていたのか、バナー広告等で目にしたのか、ちょっと思い出せないが、「なぜSNSはAIを過大評価し過ぎるITオンチの情弱ばかりなのか?」みたいなテーマで教科書問題を盛り込んだ記事にしようとしたのだと思う。
実は昨夜も電話で友人と話しており、つい先日書いた記事「【シン・エヴァ】神道世界がキリスト教世界に勝った?エヴァの世界観」の内容が話題に上ったが、彼は有り難いことに私のウェブサイトの記事を満遍なく読んでくれていて、「また太宰治に結び付けてたね」と言うので、太宰治三島由紀夫を突き詰めるとニーチェにブチ当たるという話のついでに、ニーチェの名言「人は賞讃し、あるいは、けなす事ができるが、永久に理解しない」を紹介しつつ、

よほど感動する話でもなきゃ人は滅多に賞賛なんかはしないし、むしろ批判したりケナすことばかりだね。つまりはニーチェが言うように永久に理解なんかしないんだろう。特にTwitterはヒドイね。昔の2chのようだ。

といった話をしたばかりである。

日本語が通じない日本人」については、思えば10年ちょっと前ぐらいからだろうか。
私は職場で一緒に働く自分より年齢の若い人と、コミュニケーションが非常に取りにくいと感じるようになっていた。私がお願いしていたことがちゃんと伝わってなかったり、相手の言っていることがよく分からない。相手の言い分をなぜか私が毎回のように整理して「と、いうことだよね?」と確認しなければならないケースが増えた。
また、開発プロジェクトや会社によっては、日々の報告・連絡・相談等をメールやメーリングリストで行う場合が多いが(今はかなりSlack等のツールに代わっているが)、若い人からのメールが「何を言っているのか分からない」状態で、直接本人に聞くといったケースも多々あった。
学校を出たての新入社員や、社会人2年生ぐらいまでなら「仕方ない、教育してやるか」で済むが、相手が20代後半や30代前半とかだと単純に「なんで?」と思う。
たまたま相手の能力が低いのか、私に何らかの原因(単に嫌われている、加齢で思考能力が落ちている等)があるのか。それとも知らない間にストレスでうつ病を発症しつつあって、自覚症状がないままに言動がオカシクなっていて、思考能力と判断能力がダメになっているのか?
昔のように「今晩、一杯どう?」などと誘うことも出来ないし、仮に誘っても大抵は断られるので、直接本人と話をするということが出来ない。業務時間中に私語をする雰囲気がある職場は皆無に近いし、若い人ほどタバコを吸わないので、喫煙場所でちょっと話をするということもないのだ。
上司や社長といった上長に相談しても、「どうかな?分からない」とツレないし、これでは会社員をやっている意味がないんじゃないか?と思うようになった。10年前から年収はほとんど変らないし、むしろ忙しく働いているのに手取りは減少しているからだ。労働生産性がちっとも上がらないからである。

再びフリーランスで活動を開始し、ITを含む保守系のボランティア活動その他を開始してみると、今までには出会ったことのない、様々な年齢・学歴・職種の人達と出会った。特に近年のSNSには、本当に多種多様な人で溢れている
それと、4年ほど前から精神科で処方される薬を自分判断で減薬し、この3年ほどは睡眠導入剤すら一切服用していないから、恐らく私の思考能力や判断能力に問題はないハズだ(ただし、人間の精神は不可逆的なモノらしく、一度壊すと完全に元には戻らないらしい)。
私は今まで、SNSや運営しているサイトの記事等で、日本の教育や個人の国語力・理解力といった問題をあちこちに書いたし、友人・知人にも話していたが、反応もあまりないし、それに何が原因かも良く分からない。
そこで話を「今の中学生は教科書を理解できるのか?」に戻すと、『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』には、文章読解問題として次の「アミラーゼ問題」が載っているようだ。

次の文を読みなさい。

アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

セルロースは(     )と形が違う。

(1)デンプン (2)アミラーゼ (3)グルコース (4)酵素

出典:新井紀子「教科書が読めない人」は実はこんなにいる
東洋経済オンライン(2019年09月06日)

この「アミラーゼ問題」の答えは何だろうか?
私は一瞬で「アミラーゼ」だと思ったが、まんまと誤読していた。
正解は「デンプン」なのである。
ちゃんと文章を読むと、文章の形式が「AしかしB」(「Aであるが、Bである」)で、文章を前半と後半に分けることが出来る。
前半の主語は「アミラーゼという酵素」で、「分解する」のは「デンプン」である。よって、Aの部分は「アミラーゼ」の説明となる。
ところが後半の主語は「形が違うセルロース」で、「分解できない」のは「セルロース」だと誤解してしまい、Aの部分「アミラーゼ」がBの部分「分解できない」のは「セルロース」であるという内容が正しく読み取れない人が多発する
AしかしB」形式で整理すると、

アミラーゼはデンプンを分解するが、(アミラーゼは)セルロースを分解できない

そこで、上記の問題で私のようにウッカリ「アミラーゼ」と答えると間違いなのだ。
問題は「セルロースと形が違うのは何か?」と問うているので、別に文章の主語を問うているワケではない。ゆえに、本文の内容から同じグルコースで出来ていてもデンプンとセルロースは形が違うので、正解は「デンプン」となる。
この「アミラーゼ問題」は、

  • 文章を正しく理解できるか
  • 問題の意味を正しく理解し、解答ができるか

上記2点を測るのに優れた問題だと言える。
もっと言えば、上記2点は義務教育の9年間でミッチリとやるべき内容だが、現在の教育現場の実態はどうなのだろうか。また、老いも若きも読書するのはマンガぐらいで、文章を書くのはTwitterぐらいだけだと、絶望的と言わざるを得ない。
この「アミラーゼ問題」の文章はTwitterのツイート程度の短文だが、その文章を正しく理解できず、自分に何が問われているのかを理解し、正しい文章で答えを返せない人が多いから、Twitterは荒れるし、地獄のリプがあちこちに発生するのである。だから炎上が絶えないのだろう。
Facebookの場合だと、コメントを含め長文を書く人か、短文で終わる人か、毎回「シェアします」程度の人か、大体この3パターンぐらいだろう。中には荒れているグループもあるようだが。
ともあれ、寺子屋の昔から「読み・書き・ソロバン」とは良く言ったモノで、普段から本・雑誌・ウェブ記事等の文章を読み、手紙やメール等で文章を書き、数字に強くないと客観的な判断が出来ない。
これらはITエンジニアには最低限求められる必須の能力なのに、私の経験では中堅かそれ以下の企業規模のITエンジニアは惨憺たる有様だと思う。非ITエンジニアだと・・・ご想像にお任せする
そりゃ、私がいくらSNSや運営しているサイトの記事で書いても、誰も何も言わないハズだわな。

そんな一日だった。(´ー`)y-~~oO


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