お洒落なステッキとは?ファッションアイテムとしてステッキを紹介する!

とうとう2025年問題の年、2025年になった。
この問題が意味するところは本旨ではないから述べないが(知らない人は調べてみるように)、私としてはこらから到来するであろう2040年問題(これも知らない人は以下略)に先んじて、中高年こそ「お洒落で素敵なステッキで散歩を楽しもう!」と提唱している。
具体的には当該記事を参照してほしいが、本稿では流行のファッションとは別に「おしゃれ」であるためのステッキを持ち、付け焼き刃ではないファッションのひとつとして提案したいと思う。
お洒落アイテムとしてのステッキは古い。しかしながら、今や「ステッキは高齢者や足腰が悪い歩行困難者だけのもの」という認識こそ古いだろう。
硬直したアタマの固い思考停止では、お洒落も何もあったものではないのだ。

お洒落なステッキとは?

おしゃれ」というものと縁遠い私からすると、その対象がステッキであっても難しいモノがある。
そもそも私は髪型や服装に関して無頓着といっていいし、流行のファッションなんかは今後も一切取り入れないだろうからだ。
私はそういった意味で、スーツやジャケットはトラッド(トラディショナル:伝統的)スタイルのファッションを好むし、そもそもステッキを持つというのもトラッド・スタイルであろう。
逆にいえば、季節に合わせた流行のファッションで、服装の色・柄に合わせて複数のステッキから似合うモノを選ぶというのもお洒落だし、そういった「お洒落なステッキ選び」もアリだと思う。
この場合は比較的安価なアルミ製のステッキが候補に上がると思うが、本稿ではお洒落なステッキを紹介するのが本旨のため、シャフト素材がアルミのステッキは取り上げない。

ドイツ・カストロック社

具体的には一本杖と呼ばれる、伸縮も折りたたみもしないステッキが対象で、特に日本で多数流通しているドイツのガストロック社製品(日本総代理店はケイ・ホスピア)を紹介する。
どちらかと言えば服装に関係なく、持っているだけでお洒落なトラッド・スタイルのステッキだ。

ガストロック社とは?

1868年に創業したガストロック社は、約一世紀半にわたってステッキ職人発祥の地・ドイツ中部ヴェラタール地方で伝統のステッキ造りを継承し、年間約40万本のステッキを製造している老舗メーカーだ。
最初は家族経営の小さな工房から始まり、約一世紀半後の現在、ヨーロッパで最も重要なメーカーとなった。同社の製品はそれだけ、世界中の人々に愛されている。

ドイツ・カストロック社

ガストロック社が得意としている素材のブナの木は、その雄大で美しい姿から森の女王と呼ばれており、多くの葉を落として水を貯え、豊かな生態系を作り出している。
かつてドイツ国土の3分の2がブナの森だったが、ブナの木は丸太のサイズに成長するまで100年以上かかるため、生産性の高い針葉樹に植え替えられた結果、現在では国土のわずか5%にまで減少してしまった。
近年では環境意識の高まりにより計画林業が行われ、一定数が高級北欧家具などに使われているが、同社のステッキに使われている「ドイツ産ブナ」は希少素材であることに間違いはない。
ちなみに、ブナ材は成長が遅いだけでなく加工にも大変手間のかかる素材と言われ、堅い上に水分量が多いため、長い時間をかけてしっかりと乾燥させないと反りやすい特性がある。
ガストロック社では、加工する前のブナ材を自社施設で3年もの歳月をかけて乾燥させており、弾力があって折れにくい、木目の美しいステッキを製造している。

ステッキの素材

ステッキは本体部分のシャフトと、手に持つ部分のハンドルに分かれる。
シャフトとハンドルが同一の素材の場合もあるが、大半のステッキはシャフトとハンドルは違った素材であるし、お洒落なステッキはそれぞれにこだわった素材と形状なのが一般的だ。
そこでまず、ステッキのシャフトの素材について紹介する。
無論、高級な素材がイコールお洒落だとは言わないが、高級な素材ほどお洒落なステッキである場合が多いのも、また事実ではある。

素材主な産地特徴
スネークウッド南米幹の太さが直径20センチほどしか太くならず、硬い素材で加工が困難。
磨くと蛇の鱗のような模様が現れるのが名前の由来。
ステッキの素材では最も高価で最高級品とされ、個性的でありながら重厚で気品のある仕上がりが特徴。
パウサンドウッド南米現地では『神の木』とも呼ばれ、古くから貴重なものとされている。
ステッキへの加工直後は薄茶や鶯色だが、経年で漆黒または緑色へと変化する。
非常に重い素材としても知られている。

(マラッカ籐)
インドネシア熱帯地方の森林に自生し、幹に枝はなく節は竹に似ている。
非常に軽く、一節の間が長いものほど良いものとされ、ステッキに使われる120センチ以上のものは非常に少なく稀少。
坂口安吾が持っていた(紛失した)ステッキも籐であった。
黒檀東南アジア高級唐木の代表格で、高級家具などの材料としても有名。
深黒色で材質が硬く、ステッキへの加工は非常に困難なものの、出来上がった製品は非常に綺麗な木目を持つ特徴がある。
光沢のある黒は、フォーマルなスタイルにとても合う(私も欲しい)。
紫檀東南アジア黒檀同様、高級唐木の代表格。
黒檀と同じで材質が硬く、色は薄い褐色から紫色なものまで多彩。
緻密な木目は繊細でとても美しく、表面には光沢があるのでエレガントな印象を与え、派手すぎず地味すぎない色合いのため、どんなファッションにも合わせやすい。
しかし、紫檀材は輸入が厳しく制限され、現在では入手が非常に困難となっている。
鉄刀木
(タガヤサン)
東南アジア材質には黒と紫の2種類がある。
非常に硬い材質でステッキへの加工は困難なものの、磨かれた製品の木目は大変美しく、また黒から茶のものは本タガヤサンと呼ばれ、黒檀・紫檀と共に三銘木と呼ばれている。
ウォールナット欧米クルミ科の広葉樹で、木目が美しいため古くから高級家具などに使われている。
衝撃に強い材質のため、高級車のウッドパネルや銃床部材としても重用されている。
ローズウッドブラジルマメ科の広葉樹で、その心材には木目に沿って褐色の縞を持つ。
材質は重厚で木肌は美しく耐久性があるため、ステッキ以外にギターや家具等にも使用されている。
ブライヤー地中海沿岸ツツジ科の木の根瘤(ねこぶ・こんかい)で、木目が非常に美しい。
ステッキではハンドルの素材として使われるが、パイプや万年筆の軸の高級材として有名。

(メープル)
日本・北米材質は軽く木目が粗いものの、強度・耐久性がある。
木材の色が白木のため、ステッキとして仕上げてから薄茶色、濃茶色、ワインレッドやローズ等に塗装されるのが一般的。
普段使いしやすい素材で、カラフルな色使いのステッキは華やかで若々しい印象を与える。

(オーク)
日本日本のステッキでは代表格の素材。
材質は非常に丈夫ながら加工しやすく実用的なため、ウイスキー等の熟成樽にも使われる。
楓と同じく木材の色が白木のため、ステッキとして仕上げてから薄茶色、濃茶色、ワインレッドやローズ等に塗装されるのが一般的。
古くから武具や大工道具の素材として使われるなど、日本人には馴染み深い木材。
ケヤキ日本高さ50メートルに達する大木を製材した物が使われる。
耐久性が良く、縦に入った斜め縞の木目が特徴。
神社仏閣の建材として使用されることでも有名。
寒竹日本孟宗竹の竹根を加工したものを指す。
より硬く節の数が多いほど高級品となるが、近年では材料の入手が一層難しくなってきている。
太宰治船橋時代に持っていたステッキはこの寒竹である。

上記は上から素材として高級なモノから列挙してみたが、無論これ以外の素材もある。
また、寒竹が一番下にあるものの、近年では材料の入手が困難なため、10万円以上するステッキが多い(しかもステッキとしても製品が少ない)。
ちなみに私が愛用しているステッキのシャフトはインディアン・ローズウッドで、同じローズウッドでも種類があって素材のランク(高級さ)が違ったりする。
同じようなステッキなのに、なんでこんなに値段が違うんだ?」と思ったら、それはシャフト(またはハンドル)の素材が違うから、と思えばいいだろう。

シャフトとハンドルが同一素材のステッキ

ガストロック社でシャフトとハンドルが同一素材のステッキは、エコダービーシリーズとオーセンティックウッドシリーズがこれに当たる。

上記はエコダービーシリーズで品番GA-80の製品だが、色違いでGA-80~GA84までの製品がある。
シャフトとハンドルにブナ(海外では「ビーチ」と呼ぶ)を利用しており、その色味と階調がなめらかで落ち着きのあるブナ本来の持ち味を楽しむには良い製品だ。
素朴かつシンプルで派手さがない代わりに、落ち着きと天然木の美しさを併せ持つステッキと言っていいだろう。
ネットでの実売価格も10,000円前後と決して高くなく、ハンドルの形状も握りやすくて木の温かみが感じられる。
シンプルでお洒落なステッキが欲しい人はもちろん、色違いで複数本所有して服装に合わせたい場合にもオススメできるステッキだ。

ケイ・ホスピア ドイツ・ガストロック社製高級杖 GA-6

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上記はオーセンティックウッドシリーズで品番GA-6の製品だが、ステッキといえばこの形状(のハンドル)を思い浮かべる人が多いだろう。
この雨傘の取っ手と似た形状のハンドルでは、GA-2GA-3といった製品がある。

同じオーセンティックシリーズでも、上記の製品のようにエコダービーシリーズと同じ形状のハンドルの製品もあり、GA-7~GA-12の品番の製品がある(上記の製品はGA-9)。
素材も楓(メープル)・樫(オーク)・桜・ブナと、ハンドル形状以外にもエコダービーシリーズより選択肢がグッと広がる。
シンプルなステッキが良いが、エコダービーシリーズではシンプルすぎると思う人には良い選択肢であるだろう。
ネットでの実売価格は使われている素材(品番)によって違うが、エコダービーシリーズよりはやや高価なものの、それでも高すぎる金額ではない。
オーセンティックシリーズはガストロック社設立時からの伝統的なステッキで、同社の熟練工の息吹が感じられる製品だ。

ハンドル素材にこだわるステッキ

シャフトの素材も重要だが、実際に手にする部分であるハンドルの素材や形状にこだわりたくなる。
むしろ、ハンドルの素材や形状でステッキを選ぶ人の方が多いと思われる。
そこで本稿では、数ある中から大きく次の3つの素材のステッキを紹介する。

アクリルダービーシリーズ

その名の通り、ハンドルの素材にアクリル(アクリル樹脂)を使ったステッキだ。
このアクリルダービーシリーズはシャフトにブナを使っているが、エコダービーシリーズやオーセンティックシリーズとは違った仕上がりになっている。

上記は品番GA-65で、GA-60~GA-70番代の品番でハンドル素材がアクリルなのがアクリルダービーシリーズに該当する。
シャフトとハンドルの美しい造形と仕上がりが魅力的な製品だ。
ネットでの実売価格は15,000~25,000円と、やや高価になる。
お洒落で高級なステッキを購入しやすい金額で欲しい人には、オススメのステッキだ。

シルバーコレクションシリーズ

素材としては、鋳造クローム(鋳鉄やコバルトクロム合金、ハイクロム鋳鉄等、クロムを含む鋳造物)、鋳造ニッケル(ニッケルを主成分とする合金を鋳造したもの)、ABSクローム(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを原料として作られるABS樹脂にクロームをコーティングした素材)に銀メッキをしたものや、樹脂彫りに銀メッキをしたもの、鋳造研磨(鋳造された鋳鉄の表面を研磨して曲面を滑らかにした銀仕上げ)のものと、幅広い素材とハンドル形状の製品がシルバーコレクションシリーズとしてラインナップされている。

上記は品番GA-91だが、シルバーコレクションシリーズはハンドルの素材と形状のバラエティが多く、品番がまちまちになっている(エコダービーシリーズのように品番が整理できない)。
シャフトはガストロック社お得意のブナが多く、色もブラックが多い(GA-60のようにブラウンのシャフトもあるにはある)。
なぜシルバーコレクションシリーズのシャフトの色はブラックなのか?(ブラックが多いのか?)
これは、中世ヨーロッパでは銀ハンドル(グリップ)にブラックシャフトを組み合わせたステッキが最もフォーマルとされ、正装が必要な式典や晩餐会ではこのようなスタイルが好まれたことに由来する。
中世ヨーロッパではない現代日本では関係のない話ではあるが、それでもブラックの細身のシャフトにシルバーのハンドルはドレッシーで、フォーマルな場合はもちろんのこと、普段使いでもお洒落であることに変わりはない。

上記は品番GA-53だが、いかにもSFの特撮やアニメに登場する悪の組織の親玉が持っていそうなハンドル形状で、実にユニークだ。

上記は品番GA-46で、ヒョウ(?)の形をしたハンドルである。
シルバーコレクションシリーズはヒョウのほか、鳥といった形状のハンドルがあるため、ハンドル形状にこだわる人にはオススメできる。
ネットでの実売価格は15,000~30,000円と、やや高価だがバラエティに飛んだステッキがあるのが魅力だ。
そして「銀メッキ」というのもミソである。
銀食器を持っている人なら分かると思うが、手入れを怠るとすぐにくすんだり、変色してしまう。
ステッキの場合も同じで、銀製のハンドルだと小マメに手入れをしないとピカピカのハンドルのまま維持することは出来ないが、銀メッキの場合はそんな心配が一切不要だ。

オーセンティックシルバーシリーズ

オーセンティックシルバーシリーズは、ガストロック社の最高級モデルだ。
ハンドル表面に銀メッキ加工したモデルと、ハンドル素材がスターリングシルバー(銀92.5%と銅やニッケル、コバルトなどの割金7.5%で構成された合金)のモデルの2つがある。当然、後者のスターリングシルバーのステッキの方が高価だ。
シャフトが黒檀なのも、オーセンティックシルバーシリーズの特徴でもある。

上記は品番GA-301で、ハンドルが銀メッキのモデルだ。
オーセンティックシルバーシリーズの銀メッキモデルには、GA-301~GA-303がある。
上述のシルバーコレクションシリーズでも述べたが、銀メッキには銀メッキのメリットがあるため、シャフトが黒檀でハンドルがシルバーのステッキが欲しい場合は、候補に上がるだろう。

上記は品番GA-501で、ハンドルがスターリングシルバーのモデルだ。
オーセンティックシルバーシリーズのスターリングシルバーモデルには、GA-501~GA-503がある。
やっぱりメッキじゃなくて銀がいい!」という人にはオススメ出来るステッキだ。
銀メッキと比較して気になるスターリングシルバーだが、純銀ではないため銀食器のようにすぐにくすんだりはしないが、それでも手入れを怠れば変色する
しかし、仮に変色しても手入れさえすれば元の状態に戻るのがスターリングシルバーの性質でもあるため、そんなに神経質になることはない(だろう)。
シルバーコレクションシリーズほどハンドル形状のバラエティはないが、気に入ったハンドルを選ぶことは出来る。
ネットでの実売価格は銀メッキモデルが~15万円程度、スターリングシルバーモデルが~25万円程度と、決して安くはない。

※注:現地時間2024年4月30日ガストロック社の社屋倉庫火災が発生した関係で、販売サイトや販売店によって値段が大きくバラついているようだ

仕込みステッキ

古い洋画でスパイが持っている、銃が仕込まれたステッキがあるのを見たことがないだろうか。
あんなの、映画だけだろ?」と思うのは 早慶 早計だ。
実際にアンティークのステッキ市場には仕込み銃のステッキがある由だが、残念ながら日本にはそういった市場がないので(少なくとも私は)見たことがない。
まぁ、仕込み銃のステッキは物騒だが、平和な仕込みステッキがあるので紹介したいと思う。
これもガストロック社のステッキなのだが、仕込みステッキであってもお洒落である。

仕込み傘ステッキ(ステッキ傘)

ステッキと傘を兼用する製品はそんなに多くはないが、あるにはある。

上記の製品のように、ステッキとしても傘としても使えるが、どちらか一方しか使えない製品が多い。
実用上は便利かも知れないが、やはりお洒落とは言えないだろう。
ところが、ステッキの老舗ガストロック社は、ステッキに傘を仕込む製品を販売している(ステッキに傘を仕込むというより、傘にステッキを仕込む、の方が正確だが)。

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ガストロック 傘と一緒に使える仕込み杖 K-0241 1本
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この製品は傘とステッキが分離できるため、傘とステッキの両方が同時に使える
ハンドルはブナで、傘の柄は「ブラックウォッチ(黒い見張り番)」と、お洒落でもある。
ブラックウォッチとは、スコットランド王立第3大隊ハイランド第42連隊がまとっていたタータンチェック柄のことで、紳士ファッションとして伝統的なデザインだ。
ゆえに、傘としてもお洒落であるばかりか、ステッキとしてもお洒落な製品になっている。
ただし、金額が少々高いのは仕方がないにせよ、私のような長身の人間には短く身長が170センチ未満の人には長いため(仕込みステッキのためにシャフトを切断して調整が出来ない)、持ち手を選ぶ製品なのが残念だ。
婦人用や長さのバリエーションがあれば良いと思うが、それほどのニーズがないのだろうか、その点も残念に思う。

ボトル仕込みステッキ

マンガ『BARレモンハート 17巻』の中で、健康上の理由でお酒を止められている(確か)大学教授が登場し、教授は止められているが、やはり酒が呑みたい。
そこで散歩を装ってバー・レモンハートに行き、マスターから酒が入った葉巻型の「シガーボトル」を渡されて自宅でこっそり呑むのだが、目ざとく見つける奥さんに「ほら、葉巻だよ」と言って事なきを得る。
多分『BARレモンハート』は、押入れを発掘すればゴソッと大量に出てくるハズだが、そうまでしなくともここまで覚えているのは、「映画みたいにステッキに酒が仕込めればいいのにな」と思っていたからだ。
そんなことはとっくに忘却の彼方だったのだが、調べてみるとガストロック社から夢のような製品が販売されていて驚いた

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ガストロック ウイスキーラウンドステッキ GA-50351 1本
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ステッキに仕込んでまで酒が呑みたいのかよ?」と言われそうだが、「そうとも!呑みたいさっ!」悪かったな(笑)。
散歩にステッキはつきもの(?)だが、散歩途中で一服するときに一杯やれたら素敵ジャマイカ。特に今の季節のように、寒い冬の散歩には持って来いだ。
ただ、ステッキに仕込める付属のボトルがバーで呑むダブル(2オンス=約60ml)にも満たない約50mlぽっちじゃあな、というのはある。
それにこの製品は仕込みステッキであっても、身長に合わせてシャフトを切断して調整することが可能だと思うが、私のような長身の人間(183センチ)にはちょっと短い
そうは言っても、シャフトとハンドルが木目の美しいブナで、ウイスキーまで仕込めるとは、こんなお洒落なステッキも中々あるまい。
実用性とシャレっ気のあるお洒落なステッキだから、多少高くてもこんなステッキなら持ちたいと思う御仁もあるに違いないと思うが、どうだろう。
イカした妙齢のご婦人と散歩中、ベンチで休憩した時にやおらステッキから(付属のショットカップで)「一杯、いかが?」なんて言われたら (」゚Д゚)」惚れてまうやろー!
・・・えーっと、イカした妙齢のご婦人、ください!(そーじゃねぇ

ステッキの長さの調整

仕込み傘ステッキ(ステッキ傘)を除くと、紹介したステッキはどれもシャフトを切断して長さを調整することが可能だ。
本稿では便宜的にAmazonや楽天のリンクを紹介したが、購入の際に注意しなければならない点がある。
というのは、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピング等ではステッキ(シャフト)を自分の身長に合わせた長さに切断してくれないからだ。
ゆえに、ECサイトでもステッキ専門店であれば、注文時に指定した長さにシャフトを切断してくれるサービスがあるので、ステッキの長さを調整する必要がある場合は、極力そういったECサイトから購入した方がいいだろう。
しかし、シャフトを切断してくれるサービスがあるECサイトに、欲しいステッキがあるとは限らない
そこで、ステッキの長さを調整する方法を書いておこうと思う。
なお、ステッキの適正な長さの目安は、一般に次の式で求められる。

身長÷2+2または3cm

計算が面倒の人のために、「杖の長さ計算」のリンクを紹介しておく。
身長を半角数字で入力して「計算」をクリックすると、ステッキの長さを計算してくれるので利用してみてほしい。

短くしたい場合

道具さえあれば、自分でシャフトを切断することは可能だ。
その際に役立つページを紹介しておこう。

道具がない場合や、自分でシャフトを切断するのが怖い場合は、利用できるのなら近くのホームセンターに木材の切断サービスが受けられるか、相談するのも手だ。
この時、ステッキを切断する際に固定できるかどうかも併せて確認しておくと良いだろう。
あとはステッキ専門店に相談するしかないが、持ち込みか宅急便でのやりとりになるかを含め、相談してみてほしい。

ステッキ工房シナノ

料金:880円(税込)

シャフトの素材がアルミか木材に限られる上に、ステッキ工房シナノはアルミシャフト製品を主に扱っているため、素材が木材のシャフトの切断は得意ではない
店舗に行くことが出来れば、上記料金で場所と道具を貸してもらえるため、自己責任ではあるが(アドバイスが貰えるので)安心してシャフトの切断をすることも可能だ。

ステッキのチャップリン(ヒルトン東京本店のみ)

料金:1,500円(税別)

どんな素材のシャフトにも対応可能(しかも素材がカーボンであっても問題なく対応可能)で、料金も最大で1,500円(税別)とのこと。
都内近郊に住んでいる場合は、JR新宿駅西口の京王百貨店前のバス乗り場21番から20分おきにヒルトン東京行きの無料のシャトルバスが出ているため、ぜひ店舗に行って相談することをオススメする(店舗はヒルトン東京の地下1Fにある)。
店舗にステッキを持ち込むことが難しい場合でも、電話で相談してみるといいだろう。

長くしたい場合

ステッキを使っていて、身長が伸びることはまずあるまい。
しかし、誤ってシャフトを短く切断してしまった場合や、良いと思った長さにシャフトを切断したものの、使ってみるとシャフトが短かった、という場合はあり得る。
本稿で紹介したステッキにはオススメは出来ないが、次のステッキの先ゴムを使って補うことは可能だ。

モリト 高機能杖先ゴム ラクーン 16mm ハードタイプ

モリト 高機能杖先ゴム ラクーン 16mm ハードタイプ

1,736円(03/09 00:33時点)
Amazonの情報を掲載しています

オススメ出来ない理由は次の通り。

  • シャフトの直径が16mmのステッキにしか対応していない
  • 製品内部の構造上、シャフトの材質がアルミでシャフトが中空になっているステッキにしか向かない
  • 使用上の注意に「木製杖にはご使用頂けません」と明記されている

よって、本稿で紹介しているステッキには向かないが、最悪の最悪は「こんな手もあるよ」程度だ。
一応書いておくが、上記製品は一般的な先ゴムよりも2.5cmほど高さがあるので、その分を長く使用することが可能ではある。
つまり、ステッキの長さで2.5cmは身長に換算すると5cm+α程度になるので、ある程度ならカバーすることができる。
ただし(クドいようだが)、本稿で紹介したステッキでの利用はオススメしない。

おわりに

私はステッキ専門店に行ったことがないので、先月(2024年12月)「ステッキのチャップリン」(ヒルトン東京本店)に行ってみた。

ステッキのチャップリン(ヒルトン東京本店)

さすがにお洒落ステッキの専門店だけあって、様々な種類のステッキが販売されていて目の保養になった。
当たり前だが実際に手に取ってみることで、ネットでは分かりにくいステッキの大きさや重さ、そして素材の質感がよく分かる。
Amazonでも楽天でもいいが、「シャフトが黒檀でハンドルがスターリングシルバーのステッキはいいなぁ」と漠然と思うものの、実際に手に取ってみると「よし、いつかは黒檀でスターリングシルバーのステッキが持てるように頑張ろう」という気になる。
本稿で紹介したのはドイツのガストロック社製品だが、「ステッキのチャップリン」はフランスのファイエ社の日本総輸入元であり、ファイエ社のステッキを数多く揃えている。
私が手に取って惚れ惚れとした黒檀でスターリングシルバーのステッキは思いのほか軽く、値段も約27万円と高級品だ。
本稿で紹介したガストロック社のオーセンティックシルバーシリーズはここまで高価ではないにせよ、それでも決して安い金額ではない。
それこそ「一生物のステッキ」であるといっても過言ではないため、購入するには実際に手に取ってからにしたいものだ。
こんなことをいっては失礼だが、あまり商売上手とは言えない店長さんにいくつか質問してみたが、そのやり取りの中で「来年(2025年)からまた、ステッキの値段が上がる」という話が出た。
どうも、馴れ馴れしくとまではいかなくとも、打ち解けた感じで会話が出来るような雰囲気でもないので「ああ、原材料その他のコスト上昇で」とひとりごちた。
と、いうことは・・・とっさに私に閃くモノがあった。
高級ステッキのシャフトの素材は、チタンやカーボンといった特殊な物を除くとすべて天然の木材である。「ステッキの素材」の章を注意深く読んだ人なら、紫檀や寒竹が入手困難であることを見逃さなかったハズだ。
しかも昨今は金(ゴールド)といった実物資産の価値がうなぎ登りである。ハンドル素材のスターリングシルバーも同様に、銀の価値が上がっている現状を考えれば・・・私が何をいいたいのか、想像がつくだろう。
本稿もいい加減長くなったので、これ以上は書かないことにする。
ヒントは冒頭に述べたことにもあるが・・・ともあれ、自分に投資することですな。

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