個人的に、6月は19日の太宰治「桜桃忌」が一大イベントなのだが、その前に(毎年失念する)13日には「白百合忌」があり、そして23日は「沖縄慰霊の日」がある。
そんな中、戦後の団塊の世代ジュニア以降の我々日本人には馴染みや関心が薄いものの、25日は「朝鮮戦争が勃発した日」でもある。しかも今年は朝鮮戦争から70年という節目の年であり、28日には一般社団法人アクション・フォー・コリア・ユナイテッド(以下、「AKU」と略)のオンラインフォーラム「朝鮮戦争70周年、認識の相違と未来」に参加したので、その辺りを中心にちょっと書いてみようと思う。
AKU代表理事の川崎栄子さんとは2年ほど前だったろうか、確か文京シビックセンターでの保守系イベント(何だったかが思い出せない)の後の打ち上げで、後楽園駅近くの中華屋で食事がてら一杯やった際に、知人が紹介して下さった。
昼間から一杯やってはいたが、貴重なお話を色々と伺うことが出来た。その際に名刺交換をさせていただいた縁から、たびたびAKUのお知らせメールをいただくことがあり、今回の「朝鮮戦争70周年、認識の相違と未来」に参加するチャンスがあったのだ。
以下、主に当該フォーラムでの川崎栄子さんの発言をメモ書きしたもので、無論、フォーラムの内容はこれに限定されない。本稿で重要だと思うメモ書きを列挙してみたい。
1. 日本人拉致被害者について
完全に平和裏に朝鮮半島が南北統一されれば、日本人拉致被害者は奪還出来るとは思う。しかし、南北統一となれば北朝鮮は日本人拉致被害者を皆殺しにするに違いない。
一瞬でも早く日本政府は緊張感を持って奪還することを考えなければならない。
北朝鮮にいる日本人妻も日本国民ではないか。その先に拉致被害者があったのに、日本政府は「日本人妻は要らない」と突っぱねた。そこで北朝鮮は「日本人奪還ではなく、政治的ポーズ」だと受け取り、以降の交渉が出来なくなった。
2. 朝鮮半島の南北統一について
今、正に南北統一の時だ。北朝鮮の国庫にカネはないし、正恩と与正は何をしでかすか分からない。
朝鮮半島を分断させた当事国の力を借りて統一されるべきで、アメリカに20日ほど行って訴えたが、「トランプ大統領は選挙だから話は聞かないだろう」と言われた。逆に選挙だから、今こそ訴えるべきだと主張したが、トランプ大統領に訴えは届かなかった。
3. 「白頭山の血統」について
現在の正恩と与正は脱北者の家系で、金日成が振り向きもしなかった。
それだけ北朝鮮には人材がいない。
現今のコロナ禍により、北朝鮮が経済的にも食料的にも極度に逼迫しているのは、容易に想像出来る。北朝鮮は頑なに「新型コロナの感染者はゼロ」だと言い張っているが(宮本悟「北朝鮮、新型コロナ感染者はゼロだが隔離は2.5万人超」日経ビジネス・2020年04月22日)、国境を封鎖しているからと言って「ハイ、そうですか」と信じるワケには行かない。しかし、逆に中朝国境を封鎖し、ロシアとの航空・鉄道をストップさせたから、どこからも支援が届かないのであって、恐らく未曾有のピンチだろう。
16日には南北共同連絡事務所を爆破するという暴挙にも出た(「北朝鮮、南北連絡事務所を爆破 開城工業団地【動画あり】」産経フォト・2020年06月16日)。多分に韓国と「親北大統領」である文在寅を揺さぶり、大統領選で忙しいトランプ大統領の「働きかけ」を期待したものだろう。そして韓国経由で日本を揺さぶる意図もあったろう(「韓国が「明治日本の産業革命遺産」取り消し求める書簡を送付へ」産経ニュース・2020年06月22日)。
そういった背景も全部ひっくるめて、恐らく川崎栄子さんは28日のAKUフォーラムで「正恩と与正は何をしでかすか分からない」と発言されたのだと思う。
それと、私が本稿を書こうと思ったのは、次の記事を読んだからだ。
・・・戦後、日本は敗戦の汚辱にこそ塗れたが、国土は分断されなかった。それはイタリアも同じだが、ドイツは長年東西に分断され、朝鮮半島はソ連(当時)と金日成によって仕掛けられた朝鮮戦争によって、未だに南北に分断されたままだ。
当時のソ連は今はないものの、川崎栄子さんが主張する「朝鮮半島を分断させた当事国の力を借りて統一されるべき」は正論でしかない。その「朝鮮戦争で一方的に得をしたのは日本だ」という主張もあるが、それは一面正しいものの、そんな簡単な話ではない。だが、その一面すら知らないでおいて、反論も正論もないものだ。日本の敗戦により、支那や朝鮮半島から引き上げる日本人の惨劇を知らないのでは、お話にもならないだろう。
その上で、私がわずかに言い得るのは、人権に国境はないということでしかない。
実際に自分の目で確かめることは出来ないが、北朝鮮に人権はない。なぜなら、何の罪も関係もない他国の日本人を拉致し、その人が日本で送ることが出来たであろう人生を奪ったのだから。日本にいる拉致被害者の家族がどんなに声を嗄らして何十年も訴えたのに、私を含めた大多数の日本人とその政治家、そして北朝鮮は無視し続けたのだ。
私も結果的に無視し続けた日本人の一人だから、今さらどのツラ下げて一体何が言えよう?
私のような浅学非才の世捨て人のような中年が、ネットにちょっとやそこら何かを書いて世の中が変わるなどとは、到底考えてはいない。むしろ、いつまでもいつまでも知らないことを勉強して、気が付いたらこの世から人知れず去っていることだろう。
それでも、わずかに言いたいことや、主張したいことだってある。前述の3Dアニメ映画『TRUE NORTH』を制作した清水ハン栄治監督は在日コリアンで、この映画に10年の歳月を掛けたという。才能はあっても、個人で映画を作るだけの経済的余裕のある人の方が稀だ。制作する苦労だけでなく、映画を公開したらしたで、この監督個人やその親族は、絶え間ない「見えない敵」から攻撃される危険性も高い。
それでも「表現したい」気持ちは痛いほど分かる気がするし、なんとか日本でもこの映画が公開されないだろうか?と思いを強くしたので、微力ながらこうして駄文を綴っている。
松本零士先生は「今、夢がかなわなくても諦めることはない。明日の君は今日の君より強い、明後日の君はもっと強い。だから頑張れ、だから焦るな。時間の中で夢はいつかかなう、そのかわり時間に対する義務として夢を放棄してはいけない。その両方が握手したとき、夢がかなう時が来るはずだ」と、日本の若者に対して熱いメッセージを贈った。
しかし、北朝鮮は日本とは違う。「夢」よりも「生きる」ことが精一杯の人だらけだろう。この現実を、一人でも多くの人に知って貰いたい。
いつか、北朝鮮の若者が「夢」を持てるように。
そして、日本人拉致被害者が一刻も早く全員帰国できるように。
そんな一日だった。(´ー`)y-~~oO
Warning: strpos() expects parameter 1 to be string, array given in /home/eware/dajya-ranger.com/public_html/wp-includes/compat.php on line 498
Warning: preg_match_all() expects parameter 2 to be string, array given in /home/eware/dajya-ranger.com/public_html/wp-includes/shortcodes.php on line 155
Array