本サイトの「本物のプログラマはPascalを使わない」記事に、次の記述がある。
Unixシステムで本気で仕事をする奴はいない:UUCPネットでジョークを世界中に飛ばし、冒険ゲームとリサーチペーパーを書くだけの話だ。
出典:月刊『bit』1985年4月号(共立出版)
1980年代半ばから1990年代半ばぐらいまで、日本でネットと言えばパソコン通信が一般的だったし、2000年代になって急速にインターネットが普及したが、ネットでマネタイズ(収益化)している個人や法人はまずマレな存在だった。
アマゾンが日本でサービスを開始して知られ出したのが2001年頃で、大学で単位を取るのが難しいと評判だった「経営情報論」の講義で教授は、「米国アマゾンの商取引が日本の物流に乗ったら、日本の物流は即パンクだよ」と笑い飛ばしていた。
私も「まさかね」と笑いながら、ネットで商売が成立することに懐疑的だった。しかし、「いや、もしかすると」といった予感のような違和感があったのは確かで、今となっては経営情報論で何を学んだのか何一つ思い出せないが、この時の教授の話はいつまでも私の中で引っかかっていた。
実際にアマゾンを筆頭にしたネット通販の荷物の取り扱い数が急速に膨張したため、宅配業界最大手のヤマト運輸が悲鳴を上げ、利用者も巻き込んでアマゾンと宅配業者が対立する構造になったのは、2017年頃だった。
2010年頃にはmixiやGREEが「Web 2.0」としてすでに脚光を浴び、TwitterやFacebookといったSNSが日本でも認知され始めていたし、すでにmixiでは「mixiで○○するだけで1000万円(儲かる)」といった、怪しいとしか言いようがない情報商材が出回り、運営のマズさもあってmixiは衰退して行った。
思えばこの当時はすでに情報商材でのマネタイズや、サイト(ブログ)アフィリエイトでのマネタイズが普通になっていたと思うが、個人の日記程度のブログ記事や、メモ+α程度のIT系記事で読者を獲得するのは難しく、それは現在でも同じで、流石に最近は「アフィリエイトで月収100万円」といったネット詐欺師の宣伝文句を見なくなった。
前置きが盛大に長くなったが、先ごろTwitter社がニュースレター配信サービスのRevue社を買収し、図赤枠のように余計な機能「新機能」が実装された。
私の場合はGoodTwitter2を導入しているので、普段は画面表示がTwitter標準と違うが(詳しくは本サイト「【Chrome・Firefox・Opera】GoodTwitter2で再びツイッターの新UIに抵抗する!」記事を参照)、分かりやすく標準画面で説明すると、図赤枠「もっと見る」をクリックすると表示される。
面白いことに、この新機能「ニュースレター」が表示される人(アカウント)と、表示されない人がいる、ということだ。
親しくさせてもらっている相互さんに聞いてみたら「表示されていない」という話で、最初はフォロワー数に関係があるのかと思いきや、フォロワーが800程度の人が「表示されてない」と言う一方、私が運営しているフォロワーが300ちょっとの別アカウントでは表示されているのだから、フォロワー数は関係ないようだ。
恐らく急いで新機能を実装したものの、全ユーザに波及するのにタイムラグがあるのだろう。Twitterは2019年7月頃に順次新UIが適用された例もあるから、今は表示されなくても放っておけば表示されるようになると思われる。
最近はFacebookとInstagramでビジネス(主にEC分野)をサポートする機能が追加になり、BOOTHやBASEといった個人や小規模ビジネス向けECサービスを利用しなくても、ネットビジネスが可能になっている。
Twitterの新機能である「ニュースレター」は図のようにまだ日本語化されていないし、有料ニュースレター(月額課金)の通貨に日本円がないため、日本で日本人が使うにはもう少し時間がかかるだろう。
しかし、過去のツイートやサイト記事をニュースレターにまとめ、購読者に配信するのは簡単なようだし、FacebookやInstagramといった別SNSとも連携してニュースレターが書けるため、SNSだけでブログやサイトを運営していない層にもマネタイズを含め、アピール可能な機能だと言える。
有料ニュースレターの場合は手数料が5%と安く(ただし振込手数料は不明)、ニュースレターの購読者を募る必要はあるが、フォロワーが多い大手アカウントなら造作もないことだろう。
まとめると、次のことが言える。
- ネットで価値を提供する側と享受する側とが明確になる時代に突入
- SNSでのフォロワー数の多寡が判断基準になる危険性の増大・具現化
- プラットフォーマーへの経済的依存の危険性
- プラットフォーマーによる経済支配の危険性
私は別に危機を煽る意図はないし、これらは裏返せばスマホとSNSだけで誰もがノーリスクでネットビジネスを簡単に始められることを意味している。
むしろネットで新しいシェアリングエコノミーを形成するキッカケになるだろうが、ネットとITを使いこなせず、価値を提供できない人間はウー某イーツのような肉体労働系シェアリングエコノミーでしか対価を得られない、とも言える。
私自身は今年に入ってからネットでの提供サービスを刷新し、月額課金と投げ銭でのサポートを受ける準備が完了したところだ(WordPressとPukiWikiで投げ銭を得られる記事を書く予定)。
しかしながら、一番儲かるのはマネタイズの仕組みを実装・提供するプラットフォーマー(FacebookやTwitterといったSNSや、BOOTHやBASEといったECサービス等の提供会社)であるのは間違いない。
現在でもオールドメディアであるマスコミの暴走が止められないのに、SNSプラットフォーマーの暴走が止められるだろうか?
そんな一日だった。(´ー`)y-~~oO
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