【東京】長尾たかし衆議院議員に訊く「医療費タダ乗り外国人問題」講演メモ

【東京】長尾たかし衆議院議員に訊く「医療費タダ乗り外国人問題」講演メモ

ちょっと時間があいてしまったが、7月24日(火)に東京で緊急企画され、開催された長尾たかし議員による「医療費タダ乗り外国人問題」の講演内容が大変有意義だったため、メモとして残そうと思う。
ただ、当日私は受付をしており、一切の録画・録音が禁止だったため、知り合いの参加者の一人にお願いして講演のメモを提供していただき、それを元に記事としてまとめている。よって、講演の内容を全て網羅するものではなく、認識が違う箇所があればご指摘いただきたい。

日本の健康保険制度

日本の健康保険では、基本的に病気にならないと健康保険が使えないが(介護保険についても同様に)使わないと損だと思われている。ところが、日本では当たり前のことが、海外では当たり前ではない。例えば、

  • 盲腸の手術はオーストラリアでは約400万円かかる
  • 虫歯治療もガン治療も日本だけが保険適用である

といったことがあるため、日本人より外国人の方が日本の健康保険の素晴らしさを良く知っている。よって、日本の健康保険制度を悪用しようとする外国人が増えている。
ひとつ例を挙げると、メラノーマという皮膚ガンに効くオプジーボという薬(大阪の小野薬品が販売)があるが、1クール3,000万円する高額な薬だが4年前に保険適用となった。そもそもは症例数が極めて少ない希少ガンだったから保険適用になり、菅さんが半額の1,500万円にするように依頼し、小野薬品は応じてくれた。
ところがこのオプジーボ肺ガンに効くことが判明した(肺ガンは自覚症状がなく、発見されたときはステージⅣだったりする厄介なガンだが、この薬を使えばほぼ100%治る)。高額医療費制度もあり、本来1,500万円の治療が保険適用60~70万円ぐらいで受けられるようになった。
そして、民進党政権時に国民健康保険の加入条件が変更になり、日本に3ヶ月(変更前は1年間)住所を持って住んでいれば加入できるようになったため、外国人留学生も加入できるようになっている。よって、肺ガンの外国人患者が日本に入国した翌日に入院するケースも多発している。
では、なぜ医療目的での外国人の入国が放置されてきたのか?

※筆者注
厳密には、日本の住所を持って3ヶ月以上居住すると、自動的に国民健康保険介護保険に強制加入させられ、国民健康保険料介護保険料を支払わなければならない義務が発生する、が正しい(実際に保険料を納付する・しているかは別だが)。
日本は世界に誇る国民皆保険制度を堅持しているが、逆に国民皆保険制度があるため、他国のように任意加入の民間医療保険が充実していない、とも言える。よって、帰化・永住者以外の外国人に対して民間医療保険が提供できなかった側面も指摘できると思われる。

不適正事案排除の困難さ

持続可能な医療保険制度を維持し、守ることが大切であるから、日本人及び外国人による不適正事案を排除しなければならないが、医療機関と行政機関との間に連絡がないため、排除するのが難しい構造になっている。

機 関役 割不適正利用者
医療機関治療が専門現場なので何となく分かる
行政機関書類の受付・審査現場ではないので分からない

最近は『海を渡って日本に治療を受けに来る「タダ乗り患者」』といった不適正事案について報道されるようになり、医療機関からの反響が多くなっているが、実は医療機関では10年前から何かおかしいと気が付いていた。

海外療養費制度(2004年)は、日本人の子供が海外に留学した先で治療・入院した場合、保険に入っていないと高額な治療費が発生する(上述の通り、オーストラリアでは盲腸で約400万円もかかる)。それは大変な負担であるため、外国の病院で治療・入院した書類を発行してもらえれば、日本国内の健康保険で払い戻しを受けられ、3割負担で済むという制度である。
昭和61年(1986年)に国民健康保険の国籍要件が撤廃されたが、これにより、外国人に海外療養費制度を悪用されるケースが多発している。

来日中国人が国保を不正受給!?親を呼び寄せ日本で手術、出産育児一時金42万円を騙し取り…

海外の病院で発行された書類が偽造であることが医療機関で判明し、摘発されているケースもあるが、逆に書類が偽造されたものでなければ分からないのが現状である。
平成26年~平成28年で支給件数は49,817件だが、この内外国籍の人への支給件数14,212件(28.5%)である。健康保険加入者が3,480万人の内、外国人加入者が97万人(2.8%)で、たった2.8%の加入率の割に、海外療養費制度外国人に28.5%を支給しているのは多いと言わざるを得ない。

市場開放のためのアクション・プログラムによる亡国

自民党「市場開放のための行動計画(アクション・プログラム)」の決定
昭和60年の国際経済は、先進国間の経済摩擦が深刻化して保護主義が台頭、開発途上国では累積債務が増大し、世界経済の発展に不安定要因をもたらすことが懸念されるようになりました。とくに日米間では、貿易不均衡が大きく問題化します。中曽根内閣は、新たな市場開放策「アクション・プログラム」の策定方針を決定し、5月に行われたボン・サミットでも中曽根首相は新ラウンドの早期開始を力強く主張しました。 この政府公約のアクション・プログラムは、7月30日、自民党・政府合同の対策本部でその骨格が決められ、関税、輸入制限などの3分野における幅広い改善措置を実行することで、3年以内に国際水準を上回る市場開放度を達成するものとされました。 中曽根総理はこの日、行動計画に関する談話を発表し、保護主義と闘うために自ら積極的な市場開放と自由化の政策を決定したと述べ、以後は内需拡大にも積極的に取り組む意思を内外に表明しました。(筆者による追加

昭和61年(1986年)日米保険協議により、保険を単品で売ることができるようになった。しかし、外国のアフラック等に先にガン保険を売らせ、日本の保険会社は2年8カ月の間売り止めをさせられた。
※このとき、長尾議員は自民党員を辞めた(※筆者注長尾議員立命館大学卒業後、明治生命保険相互会社=現・ 明治安田生命保険相互会社に入社し、当時は保険の営業をされていた)

平成3年(1992年)大店法の改正により、トイザらスウォルマートなどの大型店が日本に進出できるようになった(ブッシュ父が来日)。
1992年大店法が改正され、日本中の商店街がシャッター通りと化した

平成7年(1995年)ガッツ条約(※筆者注:講演で長尾議員は「ガッツ条約」と言っていたが、正しくはGATS=「サービスの貿易に関する一般協定」のこと)により、どんな法人、国籍でもOKという条約(正しくは一般協定)にサインをし、国を売ってしまった。
外国人に土地を売らせない法律を作ったとしても、海外の条約が優先とされるため、条約違反(正しくは一般協定違反)として訴えられる可能性もあり。外国人の土地購入を制限することは出来ない。
外資土地買収問題、2つの課題(「長尾たかしの・・・未来へのメッセージ」より)

今後の展望と民族差別について

健康保険に関して、GATSサービスの貿易に関する一般協定)の範囲外であるから、永住権を持たない外国人を排除することは可能である。
しかしながら、日本は正式な移民政策を取っていないものの、その実は移民(国際的には1年以上居住している外国人を「移民」と呼ぶ)が多数いるのが現状で、外国人労働者は100万人以上に及ぶ。また、その中にブラジルやフィリピン等の技能実習生も含まれるが、せっかく親日国から希望を胸にやって来た技能実習生を奴隷待遇で酷使している現状もあり、日本の評判を落としながら帰国される人達もいる。これは憂慮すべき事態だ。

私(長尾議員)は民泊に賛成して法案化して進めたが、その結果、違法民泊はドンドン潰れてきている。同様に、敢えてちゃんとした移民政策を作って、日本にとって好ましくない外国人の移民を排除すべきだが、こんなことをネットで言うと、たちまち売国奴呼ばわりされて炎上してしまう。
むやみに「外国人は出て行け!」言うのは止めて欲しい。正しい政策論争も、単なる「ヘイト問題」すり替えられてしまう。それでは政治家として、正しい政策を立案して実行することが出来なくなる。特に「外国人国保不適切利用問題」を解決するために政治家として行動していく中で、本件を「ヘイト問題」にされないよう協力をお願いしたい。
ここに集まっている方々はそうではないと信じているが、安易な民族差別とその対立を煽るようなことは避けていただきたい。

質疑応答

  • オーストラリアへ中国人の移民が押し寄せているが、抑制するため、家族を呼び寄せるなら10年分の支払い義務の制約を課している
  • 日本への来日外国人については医療費踏み倒しの前科があれば上陸を拒否する、また保険に加入してから入国してもらう方向へ
  • 感染症が持ち込まれると困るので、今年中からチェックを始める。このことで抑止効果を期待している
  • マイナンバーにリンクさせることも課題
  • 出産一時金(42万円)は病気でないのに支給される。禁煙外来保険適用
  • 治す医療から予防する医療へシフトすることで不適正医療も減るのではないか

おわりに

私の能力では、長尾議員の講演の素晴らしさを伝えるのに十分ではなく、何とか講演の骨子をまとめ、講演に参加出来なかった方に要旨を伝え得れば幸いだ。また、実際に講演に参加された方々に叱咤勉励をいただければ、より良い記事になると思うので、ぜひ迂愚な私にその機会を賜るようお願い申し上げたい。
ともあれ、日本の国民皆保険制度とその高度な福祉に浴している日本人が、知らず知らずその恩恵を外国人にも与えてしまっている制度的な欠陥に気付いていただければ、わざわざ東京まで講演にお越し下さった長尾議員も報われるかと思われる(それにしてもGATSにより、日本の国土が外国人に買われ放題で対処不可能な事実には唖然としたが)。
また、健康保険制度を含む日本の各種福祉制度は確かに日本人のものだが、だからと言って直ちに外国人を排斥するのは間違っているし、そうではなくとも民族差別や民族対立にしてしまっては、進むべき問題も進まないのは道理であるだろう。日本人はそういった良識があるから他国民をつけ上がらせるといった向きもあるだろうが、だからといって恨みや憎悪は何も建設しないし、そこに進歩はない。少なくとも制度の穴は塞ぐべきだし、その上で不正を正せば足りる話だ。
ちなみに当日、長尾議員が浪人時代に出版した、『マスコミと政治家が隠蔽する中国』のサイン本を買わせていただいた。まだ読んでいないが、大変面白そうな本である。
最後に、謝辞をもって締めたいと思う。この講演を企画・実行して下さった利他利他有興会代表理事の安保智子(あぼともこ)さん、素晴らしい講演を東京でも開催して下さり、ありがとうございました。また、本ブログで記事化するにあたり、講演のメモを提供して下さった匿名希望のKさん、ありがとうございました。

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